――競合を横眼に持ち味としてアピールできる点は何ですか。
門 末端市場は徐々に回復基調にあるが、売れる商品が見えづらく苦労している本舗さんやOEM企業が少なくない。
一方で、紫外線対策やアンチエイジングなど伸びているジャンルもある。原料商社として、これら期待の持てる項目に「肌にやさしい」または「環境にやさしい」などの付加価値を乗せ、テーマとしてうたえる原料の提案を強化している。
今村 営業サポートを担う私たちの業務は現在、原料メーカーさんから託された商材に付加価値をつけることが大前提になってきた。他社がやり切れていない課題まで取り組むことはもちろん、競合に真似をされるような存在にならなければ歴史と看板を守ることができない。
――直近の傾向で顕著な本舗の要望といったら。
門 国内大手や外資系を中心に医薬部外品に使用できる原料のニーズが高まっている。この点は原料メーカーと協同で傾向に対応している。
また、化粧品メーカーが商品化を進める際の品質管理項目が多岐になっていることから、お客様の体制方針により近づいたデータやツールの提案に力を入れている。例えば、提案原料を用いた応用製剤から得られた性能データや特性データなどを参考にして頂き、製品化に繋がるような提案を心掛けている。
今村 全成分表示が義務づけられている現在、化粧品メーカーの新製品を出すサイクルが早くなっている。真似が出来ない特徴ある「品質」が追求される製品作りの中で原料の重要度が高まっており、これに応えるため充実したデータを取って、提案できなければ当社の将来はないと思っている。
――2011年、この先に強化・注力する部分は。
門 原料商社として従来に無かった特性、機能性をもつ商材を多くもつこと。そのため、原料メーカーや化粧品メーカーから見て魅力を高めた側面を充実させなければならない。