アサヌマコーポレーション 取締役工場長 西山俊秀氏
自社開発容器を中心に受注が好調独自アプローチで1億円強のコスト改善
メークアップ製品の受託製造が主軸のアサヌマコーポレーションは、提案型の商品開発スタイルを強めている。
――昨年以降の受注状況に変化はあるか。
西山 上期(2010年7~12月)は受注量・金額とも前年同期を上回り、通期の見通しも視界良好だ。当社の製造アイテムは、すべて自社開発した独自処方がベースとなっており、提案型の商品開発を強めていることの結果と受け止めている。
具体的には、独自開発した容器を使用した筆ペンタイプやペンシルタイプのアイライナーの引き合いが増えている。厳しい経済状況下で目標通りの実績を残せていることは評価できる。
――好業績につながった現場発の取り組みを挙げてほしい。
西山 生産工程の見直しと生産効率の向上に取り組んだ結果、年間1億円強のコスト改善効果が得られたことは大きな成果と自負している。これは、問題改善のために立ち上げたプロジェクトチームのもと、1品ずつの原価を確認できるシステムを活用し、原価率の悪いものが発生した際には再度1品ずつの歩留まりを明確化し、問題となった生産工程に改善策を講じたことで原価が大幅に改善された成功例だ。
プロジェクトチームの構成メンバーが具体的な改善目標の設定から改善策の確立までを主導することで、目標達成のため自発的に行動できる人材を育成している。
――現在から今後にかけての重点課題は。
西山 国内外のグローバルメーカーの要求に対応できる生産体制を構築することは、大きなポイントだ。製品の妥当性確認事項を強化し、生産に関わる管理工程を一元化するなどして安心・安全な生産体制を進めている。生産拠点である相模原工場も近い将来に増設し、生産効率・品質向上の両面において、さらにその精度を高めていきたい。
――09年に本格稼働した中国・上海工場の受注状況は。
西山 マスカラやアイライナー、口紅などのメークアップ製品を中心に順調に進んでいる。技術指導のため日本人スタッフを中国に派遣する機会も多くなっている。相模原工場でも中国人講師を招いた語学講座を週2回実施しており、今後は中国人スタッフを招いて長期の工場研修を実施する予定だ。