小林製薬は、歯ミガキ、歯間清掃具、清涼口中剤、義歯関連で商品を展開するオーラルケア分野において、2010年度の売上高は前年比5・6%増と好調に推移した。同社は、TVCMを中心とする宣伝広告と店頭の連動性を強化してブランドの育成を図っており、参入する全カテゴリーが前年同期の売上げを上回る結果となった。
歯槽膿漏予防歯ミガキ「生葉」ブランドは、売上高が8・5%増の34億円と好調を牽引した。歯槽膿漏予防歯ミガキは年々拡大傾向にあり、歯ミガキ市場全体の約2割を占めるまでに構成比を伸ばしている。今期も主力の「生葉」と「ひきしめ生葉」の歯ミガキを中心にシェア拡大を図る。
また歯間清掃具カテゴリーでは、「糸ようじ」で安定した売上げを確保する一方で、「Dental Dr.」ブランドの「やわらか歯間ブラシ」シリーズが好調に推移し、17・9%増の24億円となった。「やわらか歯間ブラシ」シリーズは、サイズや形状の異なるアイテムを追加することで、新規ユーザーを獲得している。また、ゴム素材を使用した歯にやさしい歯間ブラシという特徴が、高いリピート率につながっており、シリーズ売上高は約10億円と主力製品に成長しつつある。
「ブレスケア」シリーズは、口中清涼剤市場が低迷する中、微増で推移し、カテゴリーシェアは3・7Pアップして8割を超えた。「(水で)飲む」「噛む」「スピード」などコンセプト別のシリーズ展開の中で、使用者を飽きさせない新しい味の提案が、堅実な成長を生んでいるといえる。今春も噛むタイプに新味「フレッシュピーチミント」を追加したほか、飲むタイプの容器を新たに携帯性やデザイン性を訴求したものに変更している。女性を中心としたユーザー層の広がりが期待できそうだ。
洗浄剤と安定剤を展開する義歯関連も5・7%増と好調だった。同社は、今後も高齢化社会の進展とともに、伸長していく分野と捉えている。
今期も好調に推移した前期と同様、既存ブランド力を活かした商品戦略で、着実に売上げを拡大していく方針だ。