「ギャツビー」が男性スタイリング市場でトップシェアをもつマンダムは、今期もワックスシリーズ「ムービングラバー」を中心に、幅広い剤型を揃える製品展開で一層のシェア拡大を狙う。
前期は同シリーズが堅調な動きを見せたほか、ウォータータイプ新剤型アイテムの投入効果もあり、スタイリング分野は業績を堅持。ブランド別シェアを2・0P増の36・0%に押し上げる(同社調べ)など、市場の縮小ぶりとは裏腹に健闘ぶりが目立った。
販促面では新たなツールとして、髪型を自在にシミュレーションできるiPhoneアプリ「男の髪コレ」を導入。これが「予想以上に大好評」(商品PR室)という。
マス広告のイメージが強い「ギャツビー」は、Webなどを駆使したコミュニケーション戦略も「大きな強み」(同)として活用してきた歴史をもつ。その代表例が、男性化粧品としては初めて、PCとモバイルのブランドサイト上にスタイリング方法を指南するための動画機能を設けたことだ。「店頭やCMでは伝えきれない部分を、手取り足取り教えるような細かな接点づくり」(同)で若者の支持を集めている。
一方、女性用ブランドの「ルシードエル」は、ワックスとカラーの両軸に、新たに「ケア寄りのスタイリング剤」(同)を加えた三本柱で、今期以降の巻き返しに取り組む。
ワックスでは、№1シェアを維持する「デザイニングポット」、カラーでは、クチコミ評価が高く、今春に泡タイプを投入した「ミルクジャムヘアカラー」の両シリーズを軸に展開。ケア重視のスタイリング剤では、今秋の新製品を皮切りにラインナップを増やしていく。