マンダムはこのほど、各種調査・分析の受託会社、東レリサーチセンターと共同で、生物関連試料としては初めてSTEM―EELS(走査透過電子顕微鏡(STEM)と電子エネルギー損失分光法(EELS)を組み合わせた装置)による毛髪の超微細構造の元素を解析する技術を構築し、パーマやブリーチによる毛髪の微細構造の変化を量的に評価することに成功した。
髪へのダメージに悩む人が多い中、それを克服するにはダメージによって生じる毛髪の微細構造の変化を明らかにし、ヘアケア成分の補修部位やその機能を明確に評価することが重要とされている。しかし、従来の研究では毛髪の微細構造を解析することが困難なほか、髪内部へのヘアケア成分の浸透性を量的に評価する技術も確立できていなかった。
STEM―EELSを用いてこれらの評価技術の開発に取り組んだところ、染色などの加工がされていない本来の毛髪の組織ごとの原子存在量を相対的に評価することが可能になったという。また、未処理毛と、パーマとブリーチでダメージを与えた毛髪をSTEM―EELSで測定した結果を比較すると、パーマやブリーチのダメージにより、CMCとEN―Cの原子相対存在量が低下することが明らかになった。
さらに、ダメージを受けた毛髪に対してPOLGを使用後、STEM―EELSで毛髪断面を測定した結果、CMCとEN―Cの原子相対存在量が増加したことから、POLGは部位特異的に浸透することが裏付けられた。
なお、「ルシードエル」の新シリーズ「ヘアメイクサプリ」には、このPOLGを配合している。