富士経済は、国内化粧品市場の調査結果を総括分析し、2011年の国内化粧品市場規模を、前年比4・4%減の2兆846億円とし、高価格帯が5660億円(前年比3・8%減)、中価格帯が9032億円(同5・9%減)、低価格帯が4853億円(同2・1%減)、業務用が1301億円(同4・5%減)と予測した。震災の発生や原発事故によって、不要不急のものに対する需要が低迷すると同時に、外出自粛に伴いメーク頻度が減少しているため、いずれの価格帯においても前年実績を割り込み、微増で推移した昨年から一転して、市場は冷え込むと見ている。
2011年の「1000円化粧水市場」は、前年比7・6%増の355億円を見込む。長引く不況の影響で消費者が商品選択時に費用対効果を重視する傾向が顕著となっていることを受け、エフティ資生堂が「専科」から美白訴求の「美容液からつくった化粧水」を追加、カネボウコスミリオンが2in1タイプの「うるり高保湿液」を投入しており、市場は引き続き拡大すると見ている。
2011年の「ミネラルファンデーション市場」は、前年比14・8%増の155億円を見込む。「ケイト」(カネボウコスメット)や「ファシオ」(コーセーコスメニエンス)など制度品系セルフブランドからの相次ぐ導入により需要獲得が見込まれるほか、メークアップトレンドとなっている健康的なナチュラルメークに自然な仕上がりが得られるミネラルファンデーションがマッチすることから、引き続き需要の取り込みが期待され、市場は拡大すると見ている。