――昨年から現状までの生産状況は。
石渡 相当拡大するとみていたが、震災の影響もあり、新規参入組を含めて慎重姿勢が目立った。大手異業種の受注量が思惑通りに伸びず、上昇気流の勢いが少し弱まっている印象だ。それでも、前期(2011年3月期)の売上高は20%増となり過去最高だった。
――逆風下でも、売上げを伸ばせた原因は。
石渡 異業種の開拓とその成長が大きい。当社は異業種との取引にも力を入れ、そのノウハウを蓄積してきた。新しいマーケットを開拓することで、今後も4~5年間は成長できると考えている。
さらに、今後はウチにしかできない独自の技術・サービスの確立に向けた取り組みを一層強化する。特に、「サステナブル」という観点は大きなテーマで、再生可能な植物原料を使った製品づくりなどは積極展開する。
関連して、各地方自治体と協力して開発する「ご当地コスメ」では、各地の観光協会と連携する動きを強めている。こうして、いろんな「路線」をつくって、それを推し進めていく。
――今期のOEM事業の業績見通しは。
取引社数の増加に向け、4月以降は積極的な新規開拓活動を斬新な手法で仕掛けている。9月には大手メーカー様の初出荷がある。後半からは勢いが出てくるだろう。前期売上高を割り込むことはまず考えられない。10%増程度を想定している。
――来期からは新たな5カ年計画がスタートします。
石渡 これからはますます、混沌とした経済状況になるだろう。中小企業は、他社にない技術やサービスをもたないと淘汰されてしまう。
その確立のために必要な技術・人材投資を積極的に行うためにも、自己資本比率をいかに高めるかは重要課題で、次期5カ年計画の大きな目的となる。事業活動に必要な資金はすべて自己資本で賄えるようになると、猛烈に強い。