ヘンケルの2011年度上期決算(1~6月)は、原材料価格の上昇など経済環境が厳しさを増す中で、粗利益率は低下したが、コストコントロールの徹底で経費を横ばいに保ち、結果として経費率が改善されたことで増収2ケタ増益となった。セクター別では、コスメチック・トイレタリーと化学品が売上げ、利益ともに伸びてグループ全体を牽引している。
全体の売上高は5・1%増の77億7600万ユーロ、営業利益(EBIT=税前利益+支払利息)は14・7%増の9億6700万ユーロ、純利益は21・8%増の6億6500万ユーロとなった。荒利益率は1・5P減の45・8%、経費率は1・3P減の27・3%となっている。この結果、営業利益率は1P増の12・4%、純利益率は1・1P増の8・5%となっている。
セクター別では、ランドリー&ホールケアが売上高で0・6%増の21億4800万ユーロ、営業利益で10・8%減の2億5700万ユーロ、営業利益率が1・5P減の12・0%となっている。コスメチック・トイレタリーは売上高で4・6%増の17億0200万ユーロ、営業利益で19・0%増の2億5300万ユーロ、営業利益率で1・8P増の14・8%となっている。化学品は売上高で8・6%増の38億4600万ユーロ、営業利益で25・9%増の5億1300万ユーロ、営業利益率で1・8P増の13・3%となっている。
コスメチック・トイレタリーと化学品の収益性向上が全体の利益を押し上げている。
地域別では、西欧が売上高で4・2%増の28億5900万ユーロ、営業利益で18・1%増の4億2400万ユーロ、東欧が売上高で10・5%増の13億8400万ユーロ、営業利益で35・6%増の1億7900万ユーロ、アフリカ・中東が売上高で1・1%増の4億5300万ユーロ、営業利益で12・5%減の3500万ユーロ、北米が売上高で0・5%減の13億5200万ユーロ、営業利益で29・3%減の1億2300万ユーロ、南米が売上高で10・5%増の5億2500万ユーロ、営業利益で横ばいの5500万ユーロ、アジア・太平洋が売上高で10・0%増の11億2400万ユーロ、営業利益で37・1%増の2億0700万ユーロとなっている。
西欧、東欧、アジア・太平洋が売上げ、利益とも順調に伸ばしている。これに対して北米、南米、アフリカ・中東が利益面で苦戦している。