(社)日本良品協会(東京都新宿区、中谷泰志事務局長)が中国大手Eコマースサイトに「日本商品専門コーナー」を設置。年内のスタートを目指し、日本企業の中国市場進出サポート活動を本格展開している。
飽和する日本市場に悪戦苦闘し、巨大市場・中国に目を向ける企業は多い。90年代には多くの企業が参入したが、ほとんどが成功を手にすることはなかった。そうした中で同協会は、その使命を信頼取引の構築に定め、市場に埋もれるメイドインジャパンの良品発掘に注力する。
「中国はいま国家目標としてテレビ通販市場を現在の年商3000億から2020年には6兆円にすることを掲げている。そのため、海外商品、特に日本や韓国の製品を欲しがっている。我々は、そうした中国通販を管轄する国の傘下組織である中国電子商会と提携しており、日本製品を集める窓口を担っている。年内には、中国大手Eコマースサイトに“日本優良品館”を設置する予定だ」と中谷事務局長は展望を明かす。
中国市場進出の足がかりとしてEコマースサイトへの出店を支援するサービスは多い。だが、規模や実態が不透明なものも少なくない。そうした中で、同協会は中国政府管轄組織との業務提携を行い、安心して取引を行えることが強みとなっている。中谷事務局長も「偽物やコピー品の横行が、日中通販に影を落としている感は否めない。そうしたイメージの払拭が我々のミッションのひとつでもあり、ひいては市場の健全化と拡大につながると確信している」と話す。
同協会では現在、販路としてネット通販(モバイル含む)、テレビ通販の2つを確保する。ネット通販はメール会員210万人で中国最大の母子、化粧品、食品などのBtoCサイト「紅孩子」&「繽購」と中国最大のハイエンドファションサイト(BtoC)である「走秀網」、テレビ通販は中国テレビ通販業界売り上げ3位の「家有購物チャンネル」(今回来日)などを含む全36局だ。まずは、販売プラットフォームとしてEコマースサイト上に“日本優良品コーナー”を設置し、今後の日本製品の安定的な販路確保の足がかりとする。
日本製品の中国通販市場への本格流通を前に同協会は、2011年11月25日、都内でセミナーを開催。中国電子商会幹部や「紅孩子」、「走秀網」、「家有購物チャンネル」の仕入れ責任者も来日し、どんな製品を求めているかなどを直接アピールする。その場で、製品エントリーも可能といい、中国進出を目指す企業にとっては貴重なチャンスとなりそうだ。
同協会は、中国通販市場に日本の優良品を流通促進させるため、2010年10月に創設。中国通販業界の発展と監督管理を担う中国国家機関「中国電子商会通販工作委員会」と日本で唯一、提携する機関となっている。