インテル(株)(東京本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉田和正)は2011年11月9日、JR品川駅構内イベントスペースに「パソコンで“健考”相談室」をオープンした。パソコンを使って気軽に健康管理ができるサービスを無料体験できる。11日までの3日間(正午~午後7時)限定で開設される。
さながら“エキナカ診療所”だ。駅構内に設けられた同コーナーには、女性スタッフが待機。利用者は、血圧を測定し、パソコンにデータ入力。ビデオ会議機能を利用し、健康アドバイザーに遠隔健康相談を受ける。
利用した男性は「ただ血圧を測定するだけでなく、グラフ化され、その場で健康アドバイスを受けられ参考になった」とその利便性に感心していた。帝京大学医療情報システム研究センターの澤智博教授は「無線で手軽に健康データを管理できることは、個人にとっても診療シーンにおいても利便性が高くメリットが多い」と話す。
今回は、11月末に発売予定の一般消費者向け無線統一規格(コンティニュア規格)対応の血圧計の発売に合わせたイベントとしての限定開設だが、簡単な診療ならエキナカで実施することも不可能ではない。なにより、パソコンと対応機器さえあれば行えるため、一般家庭で少し踏み込んだ健康管理が可能になる。それだけに、こうしたパソコンを活用した遠隔での健康管理には、医療費削減の観点からも大きな期待が寄せられている。
インテルでは、これら健康データを利用できる環境拡大のため、パソコンや健康機器/サービスのコンティニュア規格への対応を促進するとともに、消費者がこれら製品を容易
に購入できるようマーケティング活動を展開。その一環で今回、より多くの人が同サービスに接触できる首都圏主要駅の一角をデモンストレーションの場に選んだ。
パソコンを活用した遠隔医療は、業務用レベルでは着実に浸透傾向にあり、そのステージは一般向けへと移りつつある。高齢化により、病院へ通うのが困難な層も増えており、遠隔による健康相談の潜在ニーズは高い。今後、こうしたサービスの認知向上と対応ハード機器の普及が進めば、一般向けでの“PCヘルスケア”も一気に加速しそうだ。