特定非営利活動法人「日本オンラインドラッグ協会」(理事長:ケンコーコム株式会社 代表取締役 後藤 玄利 http://www.online-drug.jp/)は、「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」の勝訴判決に対し、声明を発表した。同協会は、購入者の安全・安心の確保を第一として、店舗販売と通信技術を活用した医薬品販売に従事する薬局・店舗が組織する。
声明文は以下。
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平成24年4月27日
特定非営利活動法人日本オンラインドラッグ協会
「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」の勝訴判決に対する声明
使用者の安全・安心の確保を第一として、店舗販売とともに情報通信技術を活用した医薬品販売に従事する薬局・店舗が組織する、特定非営利活動法人「日本オンラインドラッグ協会」(以下、「当協会」)は、設立から6年にわたり、安全・安心な医薬品インターネット販売の実現に努めてまいりました。
医薬品ネット販売を規制する省令に関して、当協会の会員であるケンコーコム株式会社(代表取締役:後藤玄利)および有限会社ウェルネット(代表取締役:尾藤昌道)が国に対して提起していた「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」控訴審について、平成24年4月26日、東京高等裁判所において判決の言渡しがあったことを受けて、当協会は、下記のとおり声明を発表します。
記
合理的根拠なく医薬品のインターネット販売を禁止した省令にメスを入れた司法の判断を歓迎し、厚生労働省に対して、すべての一般用医薬品の、安全な供給体制を整備実現するための販売方法・リスクコミュニケーションのあり方を早急に検討開始するよう求めます。
この度の判決は、不合理・不公正な医薬品インターネット販売規制の省令に対するケンコーコムらの主張の正当性がほぼ認められたもので、ようやくあるべき姿に至ったといえます。医薬品のインターネット販売ができる地位・権利を制限するためには、法律で明確に規定されなければならず、さらにはその規制の必要性や合理性を裏付ける根拠について国会で十分に議論されなければならないことが明らかにされました。
判決によって、国会による立法という民主主義原則を逸脱し、一部の既得権益を優遇するかのような
不合理かつ不公正な規制を官僚の裁量により省令で制定することが、司法の良識において明確に否定されたことを歓迎いたします。
これに先立ち、行政刷新会議の規制仕分けの結果を受け、政府は「郵便等販売・その他の工夫を含めた当面の合理的な規制のあり方について2011年度より検討を進め、早急に結論を得る」との閣議決定をしました。しかし、厚生労働省は、その検討の具体的な工程や検討の場の設定等について未だに何も明らかにしておりません。
当協会はこれまで、自主ガイドラインの制定等、医薬品のインターネット販売の安全性を最大限高める努力をしながら、医薬品の通信販売の早期再開を望んでまいりました。会員の中には、昨今のドラッグストア等の台頭等で不振となった業績を回復すべく見出した、インターネット販売という道を断ち切られ、日々損害が累積し、やむなく廃業せざるをえなくなった事業者もあります。
当協会は、国及び厚生労働大臣に対して、今回の司法による判決を厳粛に受け止め、上告に踏み切ることのないよう切望いたします。そして今後は、行政主導の過去の過ちにこだわることなく、国民の代表者としての政治主導の適切な判断に基づき、すべての一般用医薬品の安全な供給体制を整備実現するための販売方法・リスクコミュニケーションのあり方を早急に検討開始するように要望いたします。
以上
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同協会は、省令によるインターネットでの医薬品販売禁止が不当であることを改めて強調するとともに国及び厚労省に上告しないことを求め、早急に全ての一般医薬品の安全な供給体制の整備についての検討を開始することを切望した。
今後の国の対応が注目される。
【日本オンラインドラッグ協会】(http://www.online-drug.jp/)
インターネットを活用した医薬品販売に従事してきた経験をもとに、消費者の安全性確保と利便性の向上に取り組むべく、平成18年7月設立。消費者がインターネットを利用して安心・安全・便利に医薬品を購入できる環境を整備・維持し、広く公益の増進を目指すNPO法人。