機能性素材SAM-e(サミー)の第一人者テオドロ・ポティリエリ博士が来日。変形性関節症におけるサミーの最新知見などを報告した。国内では、サミー規格含有の「スーパーエッセ(SAM-e supereSSe)」を(株)オムニカ(東京都板橋区)が展開する。
サミーについて同氏は、変形性関節症(OA)に対しては「硫黄代謝経路への貢献」、「ポリアミン合成活性化への貢献」、「抗酸化」、「抗炎症作用」などでその効果が期待されるとした。そのメカニズムについては、変形性関節症が「痛み」と「関節のすり減りや変性」が結びついたものとし、すり減りは高保湿性成分であるプロテオグリカンや、その「主要部品」である硫酸化グリコサミノグリカンが破壊され、減少することが主な理由だが、サミーは、関節細胞によるプロテオグリカンの生産を増強し、関節の修復を促進するとした。
OAにおける最新の知見では、NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)のインドメタシン(1日150㎎、サミー1日1,200mg摂取)、イブプロフェン(ともに1日1,200mg摂取)に匹敵するデータが得られており、副作用もないことから、今後更なるニーズ拡大が期待される。
欧米においてサミーは、錠剤でうつ病向けの使用がメインであり、これまでの臨床データはうつ関連が主流だが、米国においては、グルコサミンやコンドロイチンとの併用による関節対応の需要も拡大している。うつと関節症の関連について同氏は「OAを患らっている人の多くがうつを患っている実状がある。従ってOAの患者がサミー投与により、うつにもプラスとなっている側面がある」と話した。
ヒザ痛とうつに対する作用機序については「完全には解明されていないが、2つは違う大きなテーマとなる」とし、同一には語れないとした。ただし、サミーの関節や脳への流入経路についてはともに血中からであると説明した。
サミーは1952年にイタリアで発見されたのち、1975年からヨーロッパでうつ病の治療薬として使用されてきた。肝臓に最も集中するが、その他でも生合成される物質であり、2002年には脳関門の通過が確認されている。グルタチオンの合成に決定的な重要性があることが知られ、肝臓だけでなく、脳内でもグルタチオンの生合成と代謝に深く関わる。うつと変形性関節症に対する効果は米国NLM-HSTATでも認められている。