アダプトゲン製薬(本社:岐阜県多治見市、林博道社長)は2012年10月24日、鶏冠抽出のヒアルロン酸「ECM・E」摂取によるアトピー性皮膚炎の症状改善を臨床試験により確認したことを報告した。
試験は、2011年12月から2012年8月までの期間で実施。対象は4歳から44歳のアトピー性皮膚炎の患者81症例とし、3施設で行った。摂取量は、4歳から12歳を1日900mg、13歳から44歳を1日1200mgとした。また、試験への参加条件として、開始から終了までは併用薬・併用療法の変更は禁止とした。
その結果、「ECM・E」摂取群がプラセボ群に比べ、有意に有効性があることが示唆された。評価項目は掻痒程度を5段階に設定した。
試験調整士として携わった「三木クリニック」の呉成浩院長は「医者が健康食品を取り扱うには適正な臨床試験が必要と考えていた。今回ECM・Eでアトピー性皮膚炎に対する臨床試験を行い、二重盲検試験で良好な結果が出たことで、今後も優良な健康食品を適正に評価できれば、将来、それらを統合医療に組み入れる展開も期待できる」と話した。
実験ではアトピー性皮膚炎の自覚症状改善以外にも、アンケートの回答で「肌の潤いがよくなった」、「爪がきれいになった」、「便秘が改善された」などの声があったという。
同素材は、これまでに関節痛の緩和や創傷治癒効果、保湿効果、美白効果などの研究も進められ、マウス実験ではアトピー性皮膚炎を改善する可能性が示唆されていた。
「ECM・E」は、同社が鶏冠抽出のヒアルロン酸を中心とする物質を低分子化したExtra Cellular Extractとして開発に成功。1998年には日本で特許を取得し、現在までに世界5カ国で愛用されている。今回の結果をもとに、医師と共同開発医療機関向けサプリメント「ナチュラルケアAD」も9月より発売されている。