牛乳石鹸共進社(株)は、安田工場(大阪市)において、「甘水(かんすい)エコロジープラント」を建設、完成した。このプラントは石鹸の製造で生じる廃液(甘水)の有機物からバイオガスを回収、工場のエネルギー源として使用するシステムで日本初の試みになる。
安田工場では年間に約1億2000万個の石鹸を製造。同社独自の釜炊き製法(鹸化塩析法)で製造している。この製法で石鹸を作ると必ず甘水という廃液が発生。この甘水にはグリセリンや塩などが含まれてる。これまで甘水処理は、グリセリンと塩を回収し再利用してきたが、多量のエネルギーを消費していた。
甘水エコロジープラントは石鹸製造工程から出る廃液(甘水)をUASBシステム(嫌気性のメタン発酵菌で有機性排水を浄化しながら、排水中に含まれる有機物を、メタンを主成分とするバイオガスとして回収し有効利用する技術)を用いて、下水放流可能な水質にするとともに、バイオガス(メタンガス)を生成し、ボイラの熱料として有効活用する為、大幅な省エネルギー、省CO2、産業廃棄物の削減を実現した「環境にやさしい」システムになっている。