(株)タニタ(東京都板橋区、谷田千里社長)は服部栄養専門学校(東京都渋谷区、理事長/校長・服部幸應)と包括的な業務提携契約を締結した。タニタ食堂の多店舗展開などを視野に入れた人材育成や食育事業などで協力する。
レシピ本の大ヒットから誕生した「タニタ食堂」。開店から2年が経過した今も整理券が出るほどの盛況ぶりだが、多店舗展開を進める上で、人材育成が課題となっている。一方の服部栄養専門学校も和食文化の普及事業の立ち上げを模索。そうした中で、人材育成・活用の領域で思惑が合致し、今回の提携に至った。
「タニタ食堂が全国展開をする上で、調理師のトレーニングをどこでするかとなった時に、私どもの学校を使うのいいではとなった。十分に設備の整ったところで、事業展開のかなめとなるスキルやノウハウを教えていければ」と服部氏は話した。
提携により開設される「タニタシェフ育成コース」は、課題となっている人材育成を解決する新たな育成プログラムとなる。カリキュラムは全20単位で実習形式によりタニタ食堂の31定食の調理法を習得できる。講師は、タニタの社員食堂担当栄養士の荻野奈々子氏と丸の内タニタ食堂のチーフ・加藤めぐ美氏が務める。期間は2か月で、受講料は55万円。スタートは5月。
受講条件は、外食・給食事業やディベロッパーなどの法人を対象に原則5年以上の調理経験となっている。コース終了後、修了試験に合格すると、タニタ食堂の出店かメニュー提供のいずれかが可能となる2パターンの契約が用意される。人気食堂のシェフとして活動できることは大きなメリットいえる。
タニタでは、この取り組みによって、タニタ食堂のフランチャイズ展開を視野に入れており、これまでの出店要請にも柔軟に対応していく姿勢だ。すでに同プログラムで出店を予定する法人もあり、同社が目指す47都道府県に1店舗ずつという全国制覇プロジェクトに拍車がかかりそうだ。