一般社団法人・国際栄養食品協会(AIFN)は2014年4月24日、都内で会見し、「健康食品の機能性表示に関する提言」を行った。
同協会からの提言は3つ。
(1)閣議決定に基づいて、現在販売されている健康食品の機能性表示を可能にするため、特定保健用食品(トクホ)などのあまりに厳格な従来の制度から脱却し、高い自由度を持ち、産業育成に叶う制度を構築する。
(2)国際的レベルの安全性と品質を確保し、消費者が安心して使えるようにする。
(3)企業は科学的根拠に基づいた機能性の裏付けをとる。
ポイントは、トクホとの明確な線引きの主張だ。安倍首相の「機能性表示解禁」宣言においてもトクホとは違う形での機能性表示が明言されており、同協会でも改めてその部分を強調した格好だ。
背景にはサプリ先進国、米国の状況がある。「米国では、製造工程の管理がしっかりしていれば、関与成分が分からなくても機能性表示が可能。検討会での議論は、トクホに準拠する方向性であり、危惧している」と同協会副理事で、米国商工会議所サプリメント委員会委員長の天ケ瀬晴信氏は、進行中の消費者庁「食品の機能性表示に関する検討会」での議論への違和感を吐露した。
検討会委員で公益社団法人日本通信販売協会理事の宮島和美氏は「トクホにおける関与成分という意味合いが不明瞭。そうした中で、特保に準拠することを前提として検討会の議論はおかしい。個人的見解だが、機能性表示を実現する上においてGMPの義務化、メーカーの届け性の導入が必要と考えている」とトクホ準拠の流れに疑問を呈しつつ、登録制の導入を提言した。
健康食品産業協会会長で検討会委員の関口洋一氏は「協議会では昨年から専門部会を立ち上げ、新制度についての考えを5月中旬にも産業界として新制度についてまとめる予定だ。トクホ準拠の方向性のようだが、ある一部の成分だけが参加できるのはおかしい。ロジカルに進めながら、運用面でも企業ごとにばらつきがないような仕組みづくりを検討していきたい」と今後の見通しについて説明した。
業界として、機能性表示実現の流れへの期待は大きい。そのカギを握る、進行中の検討会でもいよいよ安全性の議論から機能性表示の部分へとシフトする。そうした中で、トクホとは異なる形での機能性表示こそ必要であり、議論すべきテーマであることを今回の提言で示した格好だ。業界の悲願である、機能性表示実現へ向け、業界8団体に先駆け、まずはサプリ先進国アメリカの機能性表示事情を熟知するAIFNが動いた。