(株)サンキ(大阪府大阪市)の機能性シューズ「turchesso」が、注目を集めている。コンフォートシューズを超越する機能性に加え、本格的なデザインを取り入れたスタイルが、健康にこだわる年配層を中心に支持を集めているのだ。
シューズブランド「turchesso」は、アパレルメーカー・サンキの新規事業としてスタートした。同社に靴部門はなかったが、「足」にこだわる社員の熱意もあって産声を上げた。アパレルメーカーとしてファッション性はもちろんだが、機能性にこだわっているのが大きな特長だ。
「コンフォートシューズがたくさん発売されていますが、婦人向けのものは必ずしもファッション性が高いとは言い難い。そこに市場があると考え、デザインはもちろん、機能性にもトコトンこだわったシューズをつくろうとこのブランドを立ち上げました」と同社turchesso事業部久保光法部長は、開発の経緯を説明する。
シューズメーカーから転職した久保氏は、自身がランナーでもあり、脚についてはこだわりがある。そこで、特に履き心地と歩きやすさに力点を置き、シューズ作りに取り掛かる。ポイントは、靴と足の密着度を高めるインソールの調整とヒール部の安定だ。実際の歩行動作をイメージし、安定して疲れずに歩ける強度と形状に徹底してこだわった。
機能性はもちろんだが、アパレルメーカーとしてデザイン性も犠牲にはできない。履き心地とデザインのバランスを崩さない様、ミリ単位の調整をしながら、これまでにない、ファッショナブルで機能性を兼ね備えたシューズを生み出した。
ラインナップは、ブーツやレースシューズ、パンプス、ヒールなど機能性シューズながら豊富で、ファッションを選ばぬセレクトが可能になっているのはさすがだ。価格は2万円台から4万円台までと決して安くはないが、それに見合うクオリティがある。
デザイン性と履き心地のギャップを実感したユーザーが、リピートする事例も多いといい、支持者は早くも拡大中だ。海外の展示会でも、日本製のクオリティの高さも含め、注目され、すでに複数の国から商談が舞い込んでいるという。
ポジティブにする力があるといわれるターコイズを意味する「トルケーゼ」と歩みを意味する「パッソ」の2つのイタリア語を組み合わせたブランド名には、歩く心地よさと出かける楽しさの再発見という意味が込められている。洒落たファッションで、出かける一歩を踏み出させ、その一歩を軽やかにするおしゃれな機能性シューズは、高齢化や健康志向と相まって、今後ニーズが高まっていきそうだ。