(株)タニタ(東京都板橋区、谷田千里社長)は2014年9月17日、中国のITソリューション・サービスプロバイダー、Neusoftコーポレーション傘下のXIKANGと包括的業務提携を締結したことを発表した。両社が協力し、中国市場における医療・健康機器およびサービスの販売拡大を目指す。第一弾として、Neusoftコーポレーション本社内に「タニタ食堂」を出店する。
タニタ食堂が今度は国境を超える。レシピ本のヒットを発火点に、2012年1月の丸の内店オープンまで果たした「タニタ食堂」。お弁当や地域活性など、次々に展開される関連事業は、いよいよ中国へとその波が向かう。
「1年前からXIKANGとは中国での健康管理食事業の可能性について協議を進めてきた。市場や食材の安全面、調理の衛生面、タニタメニューが受け入れられるのか…。いろいろと慎重に検討した結果、実施可能と判断し、場所や協力体制の構築などを整備し、オープンに至った」と谷田社長は、中国出店の経緯を説明した。
現在、中国ではメタボが問題になっており、国民の健康への関心も高まっている。XIKANG副総裁の侯寧氏も「中国ではもはや伝染病ではなく、生活習慣による慢性病が脅威であり、国民は予防に関心を抱いている」と中国の健康事情を明かす。
今回、タニタ食堂が出店するNeusoftコーポレーションの社員は、43.5%が肥満と判明している。日本で実績を積み重ねるタニタ食堂にとって、ある意味では最初の地として、うってつけといえる。まずは、同社社員の健康改善をしっかりと実現し、そのノウハウを蓄積。中国全土への多店舗展開へとつなげる。
タニタにとっては、食堂事業にとどまらず、XIKANGとの提携は、健康計測機器・サービス販売、健康管理食事業における優位性を高めることになり、中国市場における事業展開の促進を図れるメリットがある。取り扱い製品は、健康関連の計測機器など共通点が多いが、医療用、個人向けなどですみ分けることで補完し合い、シナジーを生みながら、中国市場進攻を進めることになる。