(株)ファンケル(神奈川県横浜市、宮島和美社長)は2015 年5 月11 日、2015年度から2017年度の新中期経営計画を発表した。新プランでは、2013年に第一線に復帰した創業者で代表取締役会長でグループCEOの池森賢二氏が、当初の計画を修正し、5年で売り上げ倍増を目指す。
復帰当初、立て直しの目安を3年と掲げた池森会長。だが、その3年目に突入するにあたり、同氏が示したのは、新たな中期経営計画だった。
「会長復帰後に払しょくを進めた懸案事項の処理に想定以上に手間取った。とはいえ、業績も回復基調にあり、本格的に打って出られる体制が整ったいま、より短期に業績を向上させるには絶好のタイミング。そこで新たな中期計画のもと、より短期に業績を向上させることを決断した」と池森会長は計画修正の経緯を明かした。
目標はズバリ、5年間で売り上げ倍増だ。2015年3月期は売上高が連結で776億3,200万円で前年比マイナス4.3%、営業利益は40億100万円で前年比1.5%となり、回復基調にある。加えて、原価率の改善、固定費の削減も順調に進み、増益に貢献している。そうした追い風の中で、一気に勢いを加速させる。
具体的には、広告投資の最大活用がメインとなる。例年売り上げの10%で推移する広告宣伝費。これに加え、化粧品約50億円、健康食品約150億円の追加的な広告投資を実施し、売り上げを伸ばす。さらにその効果の最大化を図るべく、これまで弱かった地方での知名度アップにエリアマーケティングを強化。その上で、スター製品と他製品のクロスセルを強化し、売り上げを後押しする。
サプリメントのパイオニア企業として、2015年は、機能性表示食品制度がスタートする大きな商機でもある。そうした機運に乗り、同社はこれまでに蓄積した知見をフル活用し、<日本一の健康サポート企業>としての確固たる地位の確立を目指す。化粧品事業でも、改めて無添加化粧品の価値を再定義し、とくに50代以上の層の獲得を強化。製品力のさらなる強化と並行し、横ばい市場の中で、売り上げ増強を図り、短期での大躍進を目指す。