(株)IHM(東京都品川区:TEL 03-5435-8657)は南米パラグアイ産の機能性食品原料(ハーブ)である「パロアッスル」について、新たに抗肥満作用のメカニズムを発表した。
同素材は、これまでのヒト試験により、基礎代謝量や骨格筋量の上昇、アディポネクチンの分泌量増加、血糖、血中脂質コントロール等の生活習慣病予防作用などで有意な結果を得てきた。また、2011年から千葉大学大学院薬学研究院との共同研究にて、それらの裏付けとなる細胞組織での評価を実施しており、脂肪組織内での良好なホルモンバランス調整や、筋芽細胞の分化促進等を確認してきた。
今回、パロアッスル抽出エキス末(パロティエラ)を用いて内臓脂肪低減の作用機序について脂肪組織への影響を評価したところ、白色脂肪組織内での熱産生たんぱく質UCP1の増加とともに、褐色脂肪組織内においてもUCP1の活性化が確認できた。
脂肪組織には脂肪蓄積型の白色脂肪組織と、脂肪を燃焼し、熱に変換させるUCP1が存在する褐色脂肪組織に大別されるが、近年、白色脂肪組織中にもUCP1が検出されることがわかっている(ベージュ細胞化)。UCP1の増加・活性化により体内で熱産生が起こるため、運動の代わりにエネルギー消費を促し、余分な内臓脂肪にはたらきかけて抗肥満作用につながることが期待される。
また、今回の評価では、白色・褐色脂肪組織の両組織でPPARγの上昇も確認していることから、既にヒト試験で確認されていた体重や内臓脂肪の減少、アディポネクチンの増加、生活習慣病予防作用につながると考えられる。同社は上記内容を2015年3月の第88回日本薬理学会にて発表し、同年8月に千葉大学大学院薬学研究院との共同出願による発明特許申請を行った。
パロアッスルは、古くから現地にて糖尿病等の改善で利用されており、日本でも1999年に輸入されて以降、健康補助食品として健康茶、サプリメントとして利用されている。安全性試験については、新たに2015年4月に90日間反復投与毒性試験も実施しており、高い安全性が確認されている。今回、脂肪組織内での作用機序が確認できたことより、「熱産生を促す燃焼系ハーブ」としての拡販を積極的に行う。