水素原料の製造販売、OEM供給を展開する炭プラスラボ(株)が、水素入浴料粉末を温水に溶かした水素水浴のドライスキンに対する効果に関する知見を公開した。水素水の摂取や水素ガス吸引での事例はあるが、水素入浴料粉末を温水に溶かした水素水浴に関する報告はあまりない。
実験は、長野県看護大学が実施。炭プラスラボとイノアコーポレーションが共同で委託したものを、基礎医学・疾病学分野の共同チームが取り組んだ(喬炎教授、三浦大志助教、島袋梢助教、曽根原紀佳:卒研生)。
ドライスキンは、老化や紫外線等で引き起こされ、皮膚トラブルの元凶のひとつ。それだけに、水素入浴料での水素水浴による改善が認められれば、有効な肌ケアのひとつとして期待される。
長野県看護大学でヘアレスラットによるin vivo試験(非臨床試験)のプレ試験を実施
実験方法は、ヘアレスラットを入浴前に麻酔し、ドライスキン処理部と未処理部の皮膚角質水分量を測定。デジタルカメラで撮影後、15分入浴させた。これを28日間の実験期間中に10回施行した。水素温浴は、42度の温水に水素入浴料(ハイドロクラスターバス:炭プラスラボ、イノアコーポレーション)を20g投入し、初期溶存水素濃度が約1000ppbとなる水準で実施した。
結果は、全ての回で水素水群が温水群より、角質水分量を増加させた。その効果は短期間(入浴回数6回)で確認され、長期(12回)では更に大きくなった。
また、ドライスキンによる水分喪失に対しても、効果が認められた。
皮膚トラブルは酸化ストレスも一因とされ、抗酸化作用を持つ物質が有効と考えられる。今回の結果は、生体内の酸化ストレスに対し、水素の還元作用が働いたことが示唆されるもので、水素水浴の肌ケアとして可能性を示すものといえるだろう。
肌ケアを謳う入浴料は少なくないが、スーパー抗酸化物質・水素を活用したものでその効果が認められれば、注目度は跳ね上がる。今回はヘアレスラット13匹(水素水浴7匹、温水浴6匹)によるプレ試験のため、統計的に十分な個体数での結果は得られていない。
しかし、温水群と比べ水素水群は入浴する事で皮膚含水量が増加傾向となり、ドライスキン処理後でも皮膚含水量は保持される結果となっており、今後の更なる研究の進展が注目される。