株式会社IHM(東京都品川区)が取り扱う機能性表示食品原料「Plasmax®」(プラズマックス:鶏由来プラズマローゲン)の作用機序に関与する新知見について、製造元の丸大食品中央研究所と徳島大学大学院医歯薬学研究部による共同研究成果が日本薬学会第143回年会(於:北海道大学)で発表されました。
プラズマローゲンはリン脂質の一種で、血清中のプラズマローゲン量が年齢とともに減少すること、アルツハイマー病患者の脳でもプラズマローゲンが減少しているとの報告から、認知機能に関わる成分として注目され、現在もヒトへの作用を中心に研究が進められています。
これまでの知見により、プラズマローゲンには脳内の炎症やアミロイドβの蓄積を抑制する効果が指摘されているものの、その詳細は不明でした。
今回、ヒト由来神経細胞にsn-2位にオレイン酸が結合したプラズマローゲンを投与したところ、アミロイドβの前駆体タンパクであるAPPから、アミロイドβを産生する酵素であるβセクレターゼの発現量が、コントロールと比較して有意に減少することを確認しました。
アミロイドβはアルツハイマー病発症において最も重要な因子として考えられています。プラズマローゲンはβセクレターゼの発現量減少を介して脳内のアミロイドβ量減少に関わっている可能性が示唆されます。
<参考:プラズマックスについて>
プラズマックスは鶏由来のプラズマローゲン原料であり、丸大食品株式会社が開発および製造する機能性表示食品です。プラズマローゲンは由来の違いにより構造が異なりますが、鶏由来プラズマローゲンは他素材由来プラズマローゲンよりもsn-2位にオレイン酸、sn-3位にコリンを多く含有しています。
現在、鶏由来プラズマローゲンを機能性関与成分として、2種類の表示を届出しています。
(1)言語記憶力(一日摂取目安量:1mg)
届出表示:鶏由来プラズマローゲンには、中高年の方の認知機能の一部である、言葉を記憶し思い出す能力、「言語記憶力」を維持する機能があることが報告されています。
(2)認知機能速度(一日摂取目安量:0.5mg)
届出表示:鶏由来プラズマローゲンには、中高年の方の認知機能の一部である認知機能速度(視覚情報を素早く正確に判断して適切な行動につなげる力)を維持するのに役立つ機能があることが報告されています。