セティ株式会社が販売する有胞子性乳酸菌「スポルス®」(Bacillus coagulans/Weizmannia coagulans Unique IS-2株)の新たなメンタルヘルスに与える影響について発表された。
■うつ病モデルラットにおけるスポルスの抗うつ・抗不安作用<in vivo>
【試験方法】
・うつ病モデルとして MS+CUMS 負荷ラットを用いて評価
(MS:母子分離、CUMS:慢性予測不能軽度ストレス)
・うつ病モデルラットにスポルスを6週間投与
①Normal
②うつ病モデルControl
③うつ病モデル+スポルスの3群比較
【結果】
不安・抑うつ様行動評価試験(ショ糖嗜好性試験、強制水泳試験、高架式十字迷路)より、MS+CUMS は不安・抑うつ様行動を誘発し、スポルス摂取群はそれらが有意に軽減した。
MS+CUMS は 海馬/前頭皮質の BDNF(脳由来神経栄養因子)を低下し
炎症性サイトカイン、CRP を増加させるが、スポルス摂取群はそれらが改善した。
MS+CUMS によるセロトニン、腸内フローラ、SCFAの変動、腸上皮機能低下をスポルス摂取群では改善がみられた。
スポルス摂取により、雄雌ラットにおいて MS +CUMS 誘発性の不安・うつ病様行動が軽減された。また、これらの結果は、腸内細菌-腸脳相関※の再構築による可能性があることも示唆された。
※腸脳相関(腸脳軸)
脳と腸は、自律神経系や液性因子(ホルモンやサイトカイン等)を介して密に関連していることが知られていいます。
この双方向的な情報伝達を“脳腸相関”と言います。
最近では、腸内細菌の役割を重視して“腸内細菌-腸脳相関(Microbiota-gut-brain axis)”と呼ばれています。
引用文献:
Satti,S et al.,(2023)Neurochemistry International Volume 163,February 2023,105483