オリザ油化株式会社は、この度10年以上に渡る製剤開発の結果、水に溶けないルテオリンを10%も高含有する水溶性粉末(菊の花エキス-WSP10)の製剤化に成功した (図 2, 3)。
既存の水溶性粉末タイプは、ルテオリンを0.1%規格と非常に低含量であり、機能性表示対応の粉末タイプ(菊の花エキス-P:ルテオリン含量10%規格)と比較し100分の1の含量。そのため、ドリンクタイプでの機能性表示食品への応用が困難であることが課題であった。この度のルテオリン高含有水溶性粉末は、既存品のWSPグレードと比較し規格濃度を100倍に高めることに成功し、既存の粉末タイプと同含量とすることで、清涼飲料水、栄養ドリンクをはじめ各種飲料タイプでの機能性表示食品への使用が可能となる。
機能性表示食品としての推奨配合量は、尿酸値対策としてルテオリン10mg/日(菊の花エキス-WSP10として、100mg/日)、アレルギー(花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる目の不快感)対策としてルテオリン20mg/日(菊の花エキス-WSP10として、200mg/日)と、非常に配合しやすい処方設計を実現。更に、各国の食品規制がクリアとなっている賦形剤を使用していることから海外での使用も可能。
菊の花エキスは、尿酸値低下を訴求する機能性表示食品対応素材としてシェアNo.1を占め、大手メーカーの機能性表示食品を含む数多くの製品への採用実績を構築している。これまではサプリメント形状への応用のみであったが、今後は飲料形態への応用が可能となる。特に最近の傾向として、単独原料での製品化もさることながら、ダイエット系の機能性表示食品素材との組み合わせによるダブル、トリプル機能の訴求による差別化が増えており、製品形態もサプリメント形状のみならず、ドリンク等への幅広い加工食品が届出されている。ルテオリン10%規格の「粉末」および「水溶性粉末」を取り揃えられたことにより、全ての食品形態への提案が可能となった。
今後はルテオリン高含有水溶性粉末を、これまで提案が難しかった飲料分野へより積極的に、且つグローバルに提案していく。
■菊の花エキスについて
菊の花はキク科キク属に属し、日本を代表する花の一つ。菊は、日本では長寿、若返り、高貴の意味を持つ。
同社では、痛風予防(尿酸値低下作用)および抗アレルギー素材として2014年に上市している。フラボノイドの一種であるルテオリン(図1)を機能性関与成分とし、ヒト臨床試験において「高めの尿酸値を下げる効果」および「目のアレルギー症状を軽減させる効果」を見出しており、機能性表示食品として多数受理されている。
更に、2024年7月に、尿酸値が高めの方の尿酸値を下げる機能を有する研究レビューの PRISMA 2020 準拠版に基づいてまとめ、同成分を配合した機能性表示食品の届出が受理されている(届出番号:J269)。
また、2022年5月には、花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる目の不快感を軽減させる作用で、機能性表示食品の届出が受理されている(届出番号:H204)。
美容訴求の研究も掘り下げており、抗しわおよび美肌作用で重要な働きを担っているフィブロネクチンおよびⅣ型コラーゲンの遺伝子発現作用を有することを世界で初めて明らかにし、特許を取得している(特許第 6452104 号)。