昨年の東日本大震災による原発事故で、放射性物質の拡散による様々な放射能汚染の問題が
取り沙汰されました。水も例外でなく、水道水への放射性物質の混入の問題がメディアにも大きく
取り上げられ不安を煽ることとなり、浄水器の有効性に関して一般社団法人 浄水器協会ならびに
協会加盟会社へも一般の消費者より多くのお問合せを頂きました。
放射性物質の浄水器の除去性能に関しては、想定外の混入物質であり、本来、浄水器は水道水に
含まれる遊離残留塩素、有機物、次亜塩素酸および、これに由来する化合物や金属イオンなどの
溶解物質などを減少させる目的として存在します。
震災後、研究機関が放射性物質に対する様々な実験を行いましたが、いずれも結果にばらつきがあり、消費者に対して明確な基準を示すことが出来ませんでした。
そこで、一般社団法人 浄水器協会では、速やかに浄水器規格等の国際機関である「NSF
International」(略してNSF)と協同で、放射性物質「放射性ヨウ素」に関する統一した試験方法
を確立すべく、放射性ヨウ素を専門機関より取り寄せ実験を行い、放射性ヨウ素に対して一定の
除去能力があることが確認出来ました。
しかし、ろ過する対象の水の性質や浄水器のろ材「RO 膜」「イオン交換樹脂」「活性炭」などの種類でも除去性能や処理量に幅があるといった課題があることから、放射性ヨウ素と同じ挙動を示し、かつ取扱いが容易な非放射性ヨウ素を用いた試験を行い、NSF/JWPAプロトコル(国際準規格)として確立することとなりました。
3/7(水)には、米国をはじめ世界各国で試験規格の発表を予定しており、今回、日本では、他国に先立ち本リリースにて先行発表させて頂きます。
※ 研究対象「放射性ヨウ素」について
原子力発電所の事故によって飛散される放射性物質の大部分は「放射性セシウム」と「放射性ヨウ素」で、自然界に放射性物質がそのまま検出されることは殆どないとされており、「放射性セシウム」については飛散途上粒子類に付着して落下し地下水等に浸出することは少ない、表流水に混入しても泥等の濁質除去によって水道水浄化工程中で除去されるので水道水に混入する可能性は少ないとされています。その意味で本件は放射性ヨウ素について実験を行った。
(参照:厚生労働省「水道水に於ける放射性物質対策検討会」資料)
【浄水器協会とは】
●一般社団法人 浄水器協会
昭和47 年に「全国家庭用浄水器協議会」として浄水器を製造、販売する会社により浄水器の
信頼を確立するために発足。後に2009 年に「一般社団法人浄水器協会」と名称変更。
浄水器の「規格基準化」や「家庭用品品質 表示法」の適用対象として浄水器の性能等の表示に
係る業務を行う。
現在、会員数は49 社(2011 年9 月現在)
協会サイト → http://www.jwpa.or.jp/index.html
【NSF International とは】
●NSF
1944 年に公衆衛生と食品の安全性の要件を標準化するために、国立衛生財団としてミシガン
大学の公衆衛生の学校から設立されました。現在までに75 を超える公衆衛生と安全の米国標準
規格を開発。世界規模で人間の健康の保護と向上をテーマに規格開発、製品認証、監査、教育、
公衆衛生と環境に対するリスク管理を提供する非営利組織。
公衆衛生の基準と世界の食料、水、健康、消費者向け製品を保護する認証の開発などを行う。
NSF International(本国サイト) → http://www.nsf.org