カゴメ株式会社は、朝・昼・夜のうち、朝にトマトを摂った場合に機能性成分「リコピン」が最も効率的に吸収されることを、ラットを使った試験で明らかにしました。
■研究の目的
体内での栄養成分の消化吸収や代謝には1日のリズム(サーカディアンリズム)が存在し、栄養成分を摂る時間帯によってその吸収効率が異なることがわかってきています。トマトに含まれる抗酸化作用をもつ機能性成分”リコピン”に注目し、今回の研究では、トマトを摂取する時間帯とリコピンの体内への吸収効率の関係について、同社は調査しました。
■方法と結果
ラットを、朝トマト群、昼トマト群、夜トマト群に分け、朝・昼・夜に1匹あたりに6gずつ、通常飼料もしくはトマト含有飼料(トマトの凍結乾燥粉末を10%含む飼料)を与えました(下図左)。この方法で4週間飼育し、最終日にラットの血中リコピン濃度の推移を調べ、そこからリコピン吸収量の指標として血中濃度曲線下面積(AUC)を算出しました。
その結果、朝トマト群は、昼トマト群及び夜トマト群と比べて、リコピンの吸収量が多いことがわかりました(下図右)。
●メーカー資料
■まとめ
◇ トマトに含まれる機能性成分「リコピン」は朝に摂ると効率的に体内へ吸収されることがわかりました。
◇ 研究結果は日本農芸化学会 2015 年度大会(2015年3月26日~29日)にてメーカー発表予定です。
【参考】カゴメによるリコピンに関する主な研究結果
●美容●
しみ(美白)・・・【機能:メラニン生成抑制】メラニンを生成する細胞にリコピンを添加したところ、生成されるメラニン量が減少すること、さらにビタミンEとの組合せでその効果が高まることがわかった。
しわ・・・【機能:コラーゲン減少抑制】コラーゲンを作る細胞を用いた評価で、リコピンは紫外線によるコラーゲンの減少を抑えた。
●アレルギー●
花粉症・・・【機能:自覚症状改善】花粉症の自覚症状がある人にトマトジュース(190g)を毎日1缶12週間飲んでもらい、水っぱな、くしゃみ、目鼻のかゆみといった花粉症自覚症状のアンケート結果が改善された。また、リコピンカプセルを毎日1粒、12週間摂ってもらった場合でも自覚症状のアンケート結果が改善された。
●骨疾患●
骨粗鬆症・・・【機能:骨の破壊の抑制】破骨細胞(骨を破壊させる働きを持つ細胞)の形成を誘導させた細胞にリコピンを添加したところ、破骨細胞の形成が抑えられた。そのメカニズムの一つとして、破骨細胞の形成を誘導する因子(RANKL)の発現を抑えることがわかった。
※メーカー資料に詳細な成果発表がございます。
◎カゴメ株式会社 2015年3月9日発表
http://www.kagome.co.jp/company/news/n_pdf/150309003.pdf
◎カゴメ株式会社 公式
http://www.kagome.co.jp/