クラレノリタケデンタル株式会社は、このたび歯の補綴（ほてつ）修復※に用いるセメント（接着剤）の新製品＜パナビアⅤ5＞を開発しました。歯科医療器材総合商社「株式会社モリタ」（本社：大阪府吹田市）を通じて全国の歯科医師向けに発売します。＜パナビアⅤ5＞は、同社が新たに開発した化学重合触媒を採用し、天然歯の象牙質との接着力を同社従来品に比べ約3倍に向上、審美治療に求められる高い色調安定性も兼ね備えた歯科用セメントキットです。同製品は、2015年8月1日・2日に東京ビッグサイトで開催される「東京デンタルショー2015」にも出品します。
※補綴修復…歯の欠損部や審美的に補いたいところを、レジン（樹脂）、セラミックス、金属等の人工物で覆う治療。
1.開発の背景
◎同社従来品の歯科用セメントキットは天然歯内部を構成する象牙質と比べ、表層部のエナメル質との接着を得意としていた。補綴修復では象牙質と接着するケースが多いため、象牙質との接着力向上が求められていた。
◎天然歯に近い色調・透明性を有する補綴物が登場し、歯科用セメントにも高い審美性・安定性が求められるようになった。
◎2014年4月に「CAD/CAM冠※」治療が保険適用となり、関連製品へのニーズが高まっている。同社も2015年2月にCAD/CAMブロック（レジン材料）を発売するなど、製品ラインアップを強化している。
※CAD/CAM冠…CAD/CAMブロック（レジン材料）を使い、歯に被せる補綴物（冠）をコンピュータ支援設計・製造ユニット（歯科用CAD/CAM装置）で製造したもの。レジン材料を用いるため、金属材（銀歯）に比べ審美性に優れる。現在第一・二小臼歯に限り保険適用が認められている。
2.新製品＜パナビアⅤ5＞の特長
◎象牙質との接着力が約3倍に向上する一方、エナメル質との接着力も従来同等。 （同社従来品との比較）
◎補綴治療後も口腔内で色調が変化しにくい。 （同社従来品との比較）
◎5色展開で各人の歯の色調に合わせた治療が可能。
◎各種の補綴用素材に使用可。（陶材、シリカ系ガラスセラミックス、CAD/CAMブロック（レジン材料）、ハイブリッドセラミックス、ジルコニア/アルミナ、金属）
◎支台歯の前処理剤（パナビアV5 トゥースプライマー）を1液化。治療医の使い勝手が向上。
3.製品構成（コンプリートキット／メーカー希望小売価格 57,000円（税抜））
◎パナビアV5 ペースト
コンポジットレジンセメント 色調・明度が異なる5タイプ。
◎パナビアV5 トライインペースト
接着前の色調確認用ペースト。同上。
◎パナビアV5 トゥースプライマー
支台歯の前処理剤。
◎クリアフィル セラミックプライマープラス
補綴物の前処理剤。
◎Kエッチャントシリンジ
歯質・補綴物用前処理剤。
◎その他の付属品。
※詳細は下記URLをご参照下さい
◎クラレノリタケデンタル株式会社（クラレグループ） 6月25日発表
http://www.kuraray.co.jp/release/2015/150625.html
◎クラレ株式会社 公式サイト
http://www.kuraray.co.jp/
