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新規トレハロース化合物「トレハンジェリン」の抗老化作用を確認/ファンケル

株式会社ファンケルは、2012年から北里大学と共同で皮膚に対する有効性を有する化合物の研究を進めてまいりましたが、新規トレハロース化合物「トレハンジェリン」にコラーゲンやエラスチンなどを増やし、シワを改善するなど高い抗老化作用があることを確認しました。

「トレハンジェリン」は、2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した北里大学 北里生命科学研究所大村 智博士が2012年に発見した物質です。2016年3月28日に神奈川県横浜市で開催される「日本薬学会第136年会」で、この研究成果を学術発表します。同社は今後、新たな機能性を持つアンチエイジング化粧品の開発を検討します。

<発見の経緯>
2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した北里大学 北里生命科学研究所 大村 智博士らは、長年放線菌から生産される新規化合物の発見を進める中で、キンギンソウの根から分離された放線菌が作り出す新規化合物の単離に成功しました。※1) 本化合物は、「トレハロース」と天使のハーブとも呼ばれるセイヨウトウキに含まれる成分「アンジェリカ酸」が結合した新しい化合物で、トレハロースとエンジェルをかけ、「トレハンジェリン」と命名されました(図1)。

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微生物による発酵技術は化粧品においても幅広く利用されており、本北里生命科学研究所とファンケルは共同で、本新規トレハロース化合物「トレハンジェリン」が化粧品素材として活用できるかを検討してきました。化粧品にも広く利用され安全性が担保されているトレハロースを母格としているトレハンジェリンは、トレハロースと同様に細胞保護作用を有していることが分かり、さらに検討を重ねることで、アンチエイジング機能を見出しました。
※1)Nakashima, T., et al., J. Antibiotics, 1-7, (2013).

<研究の方法と結果>
肌のハリは、真皮組織の9割を占めるコラーゲンやコラーゲン線維を支えるエラスチンが関係しています。太陽光の慢性的な暴露や加齢により、コラーゲンの減少やエラスチンの消失を引き起こし皮膚が老化します。シワのないハリのある肌を保つためにも真皮の恒常性が保たれることが重要な要因の1つであると考えられます。 トレハンジェリンが、皮膚弾力への関与を検討した結果、トレハロースの機能にはないコラーゲンの合成促進効果が見られ、線維芽細胞のコラーゲン量を3倍に増加させることが分かりました(図2)。また、真皮への影響が認められたトレハンジェリンのエラスチンへの影響を確認したところ、エラスチンの遺伝子発現を3.5倍に増加することが分かりました(図3)。

さらに、コラーゲンの合成促進だけでなく、コラーゲンを分解する酵素に関わるタンパク質「CYR61※2)」にも着目しました。「CYR61」は、紫外線の暴露や老化した皮膚において増加し、コラーゲン分解酵素の増加をもたらします。コラーゲン分解酵素が増加することで、コラーゲンが減少し、肌のハリが低下すると考えられます。 トレハンジェリンの線維芽細胞における「CYR61」の遺伝子発現を確認した結果、遺伝子発現を抑制することが分かりました(図 4)。紫外線や加齢に伴い減少してしまうコラーゲンの恒常性を整えることが期待できます。

※2)「CYR61」
Cystein-rich protein-61(CYR61)は、細胞接着、遊走、血管新生に関わる CCN family に属する細胞外分泌タンパク質である。

<「トレハンジェリン」の化粧品への期待>
以上の研究より、「トレハンジェリン」は、トレハロースの刺激緩和作用に加え、コラーゲン合成の促進、コラーゲン分解酵素の低下、エラスチンの増加等、シワに関係する因子に作用を示すことが分かりました(図5)。同社では「トレハンジェリン」が化粧品の素材に求められる高い有効性と安全性を兼ね備えた素材であると考えており、今後、化粧品の開発へと応用していく予定です。 なお、本化合物の効果については、2016年日本薬学会において「新規トレハロース化合物 trehangelin の抗老化機能に関する研究」として発表を予定しております。

【神谷義之1, 榎本有希子1, 松熊祥子1, 中島琢自2, 高橋洋子2, 大村 智2 1)株式会社ファンケル 総合研究所、2)北里大 北里生命研】

【詳細は下記URLをご参照下さい】
株式会社ファンケル  2016年3月22日発表
株式会社ファンケル ホームページ
北里大学  ホームページ

2016年03月23日 11:16

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