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健康経営への取組みを開始「EPA/AA比」による社員の健康増進キャンペーン/日本水産

日本水産株式会社は、中期経営計画「MVIP2017」(2015~17年度)において、CSR経営の推進を掲げ、昨年3月に「CSR行動宣言」を制定し、事業を通じて社会課題に取り組み、企業価値の向上につなげることを宣言しました。

■「CSR行動宣言」
「私たちニッスイグループは、地球や海に感謝し、創業時より受け継ぐ5つの遺伝子(使命感・イノベーション・現場主義・グローバル・お客様を大切にする)から多様な価値を創造し、事業を通じて社会の課題解決に取り組みます」

CSR行動宣言は、同社を取り巻く「お客様」「従業員」「ビジネスパートナー」「環境」「株主」「社会」の6つのステークホルダーに対し、CSR行動を定めています。6つのステークホルダーの中で、とりわけ「従業員」の活躍は企業の成長に不可欠と考えています。そのため従業員の健康の維持・増進を経営上の最重要課題と位置づけ、2017年2月23日、以下の「健康経営宣言」を定め、取り組みを開始しました。

■「健康経営宣言」
私たちニッスイグループは、従業員が最も重要な財産であると考え、「一人ひとりが、能力を充分に発揮できる姿」と「従業員とその家族のQOL(生活の質)の向上」を目指して、働く環境を整え、「こころと身体の健康」を積極的にサポートします。海の恵みを扱う企業として、健康的な食の提案とともに水産物由来の機能性成分を最大限に活用し、従業員と家族、さらに広くお客様にお届けすることで人々の健康に貢献します。

具体的には、社員の健康管理のための施策として、「生活習慣病の予防」「禁煙対策」「女性健診補助」「メンタルヘルス」の4つを実施します。このうち「生活習慣病の予防」については、同社の主要事業であるファインケミカル事業の中核をなすEPA(イコサペンタエン酸、注1)を活用して、社員の健康改善に取組みます。すでに2016年度の社員の健康診断で「EPA/AA比(注2)」を測定、これを指標として、2017年の健康診断での数値改善に向け、次の施策を開始しました。

(1)「イマークS100日チャレンジ」(実施期間:2017年2~5月)
EPA/AA比が一定値以下の社員を対象に、会社負担で同社品「イマークS」(EPAのトクホ飲料)を100日間飲用してもらい、EPA/AA比の改善を図る。
イマークSについては、以下のURLをご覧ください。
http://www.nissui-kenko.com/products/products162.html

(2)「EPA健康マイレージキャンペーン」(実施期間:2017年3~5月)
・社員を対象に、EPA含有の同社商品の購入に対して「マイル」を付与し、貯まったマイルに応じて賞品を進呈する。

(3)「健康番付(部署別・個人別)」
・部署単位で、所属社員のEPA/AA比の平均値による番付表を社内公開する。
・予めエントリーした社員のうち、EPA/AA比が高い人および前年比で大きく改善した人の各々トップ5に賞品を進呈する。
そのほか、同社の「海から、健康EPAlife(エパライフ)」(注3)ブランドマークの名刺への印刷、各部門や社員個人が行うスポーツ活動で使用するユニフォームへのブランドマーク供給などのPR活動も行います。

(注1)EPAとは
EPA(エイコサペンタエン酸)はいわしなどの魚油に含まれる成分のひとつで、オメガ3系の必須脂肪酸の一種ですが、体内でほとんど生成することができないため、毎日の食生活を通じて摂取する必要があります。
EPAは、心疾患リスクの軽減や血中中性脂肪の低下、抗炎症などのさまざまな作用が認められています。1990年には閉塞性動脈硬化症、1994年には高脂血症の治療薬として認可されました。

(注2)EPA/AA比とは
健康を維持するEPAの機能についてはすでに多くのことが明らかにされていますが、今日、特に注目されているのが、EPAとAA(アラキドン酸)の体内バランスを示す比率「EPA/AA比」です。
AAは必須脂肪酸ですが、肉や植物油(リノール酸)の摂取に偏った食生活を続けていると体内で増えて炎症を促進し、動脈硬化を起こしやすい体質にするものです。一方EPAは、炎症を抑制し動脈硬化が起こりにくい体質にします。

EPA/AA比が高いと心血管疾患による死亡率が低いことが発表され(九州大学大学院医学研究院による「久山町研究」、Atherosclerosis 231 (2013) 261-267)、EPA/AA比があらためて注目されています。過去の調査では、EPAを多く含むアザラシを常食としていたイヌイットはEPA/AA比がおよそ8.0前後あり、一方で比較的魚食が少なく畜肉が主体の欧米人では0.1という結果が報告されています。また、日本人の場合、65才以上ではEPA/AA比は0.68、45~64才では0.51、45才未満では0.28と、年代により差のあることが報告されています。
米国心臓学会は、冠動脈疾患予防のためのEPA/AA比として、0.75以上を推奨しています。

参考文献
Atherosclerosis 231 (2013) 261-267
British Journal of Nutrition 89,267,2003
Lancet2007;369:1090,Lipids,25,505(1990)
日本心血管カテーテル資料学会誌 8 219(2008)
Circulation. 2013;128:2154-2161.

(注3) 「海から健康、EPAlife(エパライフ)」
機能性素材EPA を使用した、ニッスイの機能性表示食品のブランドです。
機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品ですが、特定保健用食品とは異なり、消費者庁の個別の許可を受けたものではありません。
本ブランドは、「本品には、EPA・DHAが含まれます。EPA・DHAには中性脂肪値を下げる作用があることが報告されています」を届け出表示として、中性脂肪が気になる方にお薦めしています。
ニッスイのEPA・DHAの抽出・高度精製技術と食品への加工技術を組み合わせ、これらの栄養機能成分をおいしく手軽に摂っていただける商品を取り揃えています。

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ブランドマークでは、お客様が商品を選ぶ際の目安となるよう、EPA・DHAの配合量を★の数で表示しています。★1つを150mgとし、★6つで1日に必要なEPA・DHA量の900mgを摂取することができます。

■ニッスイのEPA の取組み
ニッスイでは、創業期の1920(大正9)年に日本初となった民間の水産研究機関「早鞆(はやとも)水産研究会」を設立、1934(昭和9)年に魚油の加工利用のための研究が開始されました。これが今日のEPAの研究につながっています。
ニッスイは、千葉大学と1980年に着手したEPAの疫学調査によりその有用性を把握し、持田製薬との医薬品の共同開発を経て、1990年に医薬品の承認を得るに至りました。また高度精製技術を開発して、高純度EPAの生産に世界で初めて成功しました。
以来、ニッスイは、医薬品原料から生活者向けの健康食品・特定保健用食品・機能性表示食品まで、幅広い用途のEPA関連製品の生産・販売と商品開発に取り組んでいます。

【詳細は下記URLをご参照下さい】
日本水産株式会社 (2017年3月3日発表)
日本水産株式会社 公式サイト(企業情報)

[特集]機能性表示食品制度[機能性表示対応素材]《更新随時》

 

 

2017年03月03日 12:27

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