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塗布後の感触向上と多種多量の油乳化を可能にした乳化剤開発/ポーラ化成工業

ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社は、独自に開発したポリマーMPM-GDM※1(以降、Mポリマーと略記)を乳化剤として活用することにより、塗布後の肌感触に優れたエマルション調製技術を実現しました。また、Mポリマーが、これまでの乳化剤で一般的に用いられている界面活性剤と異なり、多種多様な油を乳化できることも見出しました。同研究成果は、第81回SCCJ研究討論会(2017年11月29日、日本化粧品技術者会主催)での発表を予定しています。
※1: (メタクリル酸メトシキPEG-23/ジイソステアリン酸メタクリル酸グリセリル)コポリマー

■開発の背景
乳液やクリームのようなエマルション製剤は、互いに溶けあわない水と油を均一に混合し(乳化)、分離しないよう安定化させたもので、化粧品に広く用いられています。乳化およびその安定化のためには、水と油の間を取り持つ乳化剤が用いられますが、乳化剤として一般的に用いられる界面活性剤はそれ自体がべたつくため、しばしば感触に不快感をもたらす原因となってしまいます。そこで、乳化剤によるべたつきを解消するための研究を行ないました。その結果、独自に開発したMポリマーを乳化剤として活用することで、心地よい感触を実現することに成功しました。ポリマーは化粧品において主に粘性の付与や安定化などの目的で使用されており、通常は乳化剤として用いられることはありません。また同研究では、Mポリマーでの乳化技術の確立に加え、心地よい感触をもたらす秘密まで紐解きました。

■Mポリマーは水の中でどのような油とも相性がよい微粒子となり多種多量の油を乳化
界面活性剤は水になじむ部分(親水基)と油になじむ部分(親油基)からなる分子で、多くの種類があります。親油基の違いによってなじみやすい油が決まるため、乳化する油の種類や量に応じて相性のよいものをバランスよく選ぶ必要がありました。一方、Mポリマーは、水に溶けると、どのような油とも相性のよい微粒子となるため、Mポリマーのみで様々な種類の油をたくさん安定的に乳化することができます。(図1および補足資料1)

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■塗布後、Mポリマーは化粧膜の表面に露出せず肌感触が向上
一般的な界面活性剤で乳化したエマルションを塗布した化粧膜は、界面活性剤が油水界面にとどまり続けるため、エマルションが壊れにくく、油相と水相が不均一に分布しています。これを指で触ると、界面活性剤が表面に露出しているため、べたつきを感じてしまいます。(図.2a)一方、Mポリマーで乳化した新エマルションの化粧膜を観察すると、表面には油が均一に露出し、Mポリマーはその下の水の層に局在することがわかりました(図.2b)。これは、塗布時にかかる力や水の蒸発にともなう濃縮により、Mポリマーどうしが融合して油水界面から簡単にはずれ、油が溢れ出て均一な2層の膜になるためと考えられます。その結果、塗布後の肌を指で触ると、油の感触がダイレクトに伝わります。(化粧膜形成の仕組み:補足資料2)実際に、Mポリマーにてシルクのようになめらかな感触の油を乳化すると、専門評価者9人中8人が一般的な界面活性剤を使用したエマルションに比べて、塗布後の肌感触がシルクのように感じると評価しました。

■リリースに関するお問い合わせ先
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
コーポレートコミュニケーション室
Tel 03-3563-5540
Mail webmaster@po-holdings.co.jp

【詳細は下記URLをご参照ください】
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス  2017年11月21【PDF】発表
ポーラ化成工業株式会社  公式サイト

 

 

2017年11月22日 10:00

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