株式会社ファンケルは 2018 年 6 月から、順天堂大学大学院医学研究科・環境医学研究所と共同研究講座「抗加齢皮膚医学研究講座」を開設します。講座では、加齢に伴う皮膚の老化メカニズムの解明とその対策方法の開発などを研究します。
<開設目的>
順天堂大学大学院医学研究科・環境医学研究所の高森建二所長のグループは、これまでにアトピー性皮膚炎などのバリア機能が低下した皮膚で、神経伸長因子と神経反発因子1)の量的バランスにより知覚神経線維(C線維)2)が表皮内に侵入することなどを明らかにし、かゆみのメカニズムを解明してきました。また当社との共同研究で、独自の保湿性原料「スキンバリア成分3)」が神経伸長を抑制すること、さらに本成分を配合したクリームの塗布により、乾燥やかゆみの皮膚症状を軽減させ、生活の質を向上することを明らかにしてきました4)。しかし、老人性乾皮症などの加齢によって生じる疾患は、角層の水分量は低下しても表皮からの水分蒸散量は低いことから、バリア機能は保たれていると考えられており、アトピー性皮膚炎のかゆみ過敏のメカニズムと異なることが考えられています。そこで、皮膚老化とかゆみ神経の関連性の確認や、シミやしわなどの老化兆候のメカニズムを合わせて解明して、老化制御法についての検討を行うことを目的とした共同研究を行うこととし、「抗加齢皮膚医学研究講座」を開設しました。
<共同研究講座の概要>
(1)講座名称 抗加齢皮膚医学研究講座
(2)研究体制
【順天堂大学】
高森建二(順天堂大学環境医学研究所 所長 特任教授)
須賀 康(順天堂大学医学部浦安病院 皮膚科教授)
冨永光俊(順天堂大学環境医学研究所 先任准教授)
鎌田弥生(同 助教)
【株式会社ファンケル】
松熊祥子(執行役員 総合研究所 副所長 兼 ビューティサイエンス研究センター長)
宮田民恵(総合研究所 ビューティサイエンス研究センター 皮膚科学第二グループ課長) 他
(3)開設期間 2018年6月1日から3年間
(4)研究テーマ 「加齢に伴う皮膚の老化メカニズムの解明とその対策方法の開発」
<用語解説>
1)神経伸長因子と神経反発因子:皮膚には神経を伸ばす「神経伸長因子」とその逆の作用をもつ「神経反発因子」があり、健康な皮膚では両者のバランスが保たれているため、神経の末端が表皮と真皮の間に分布している。
2)知覚神経線維(C線維):皮膚感覚を伝える神経線維の一つで、かゆみ感覚を伝達する。
3)スキンバリア成分:化粧品表示名称 (ジエチレングリコール/水添ダイマージリノール酸)コポリマー高い皮膚保護効果を有する。
4)Journal of Cosmetic Dermatology 16(4): 37-41, 2017 にて掲載
【詳細は下記URLをご参照ください】
・株式会社ファンケル 2018年6月1日【PDF】発表
・株式会社ファンケル ホームページ