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ぶどう糖を多く含むラムネ菓子の単回摂取で認知機能の一部である『ワーキングメモリー』と『持続的注意力』スコアが改善することを確認/森永製菓

森永製菓株式会社では、近年仕事や勉強にも相性が良いと注目が集まる「ラムネ菓子(以下ラムネと記述)」について研究を進めています。この度、ラムネの単回摂取により、認知機能の一部である「ワーキングメモリー」*と「持続的注意力」機能の改善が認められました。

*:作業記憶:理解、学習、推論など認知的課題を行う時に、情報を一時的に保持して課題を行うための記憶

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■ 研究の背景と内容
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脳神経活動は通常の栄養状態においては主にぶどう糖に依存していることが知られており 1)、ぶどう糖が多く含まれるラムネには、食べると「集中できる」、「リフレッシュできる」などの経験談がありました。しかし、これまでは科学的な検証や裏付けがなされていませんでした。こうした背景の中、ラムネを摂取した後、短期の認知機能、課題処理能力や注意力などにどのような影響が及ぶかについて、自治医科大学医学部の間藤卓教授監修の下、ヒト試験により検証を行いました。

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■ 研究方法
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健常な男女 15 名を対象に、ぶどう糖(含水結晶ぶどう糖)26.2g を含むラムネ 29g、またはぶどう糖を糖アルコール(エリスリトール)に置き換え風味を近づけた錠菓(プラセボ)を 29g 摂取してもらい、その 30 分後に認知力を測定するコンピュータテスト(CognitraxTM (株)ヘルスソリューション)※を実施しました。試験を途中辞退した 1 名を除いた 14 名(平均年齢 33.9 士 1.3 歳)の結果をもとに、ラムネを摂取したグループ(ラムネ群)とプラセボを摂取したグループ(プラセボ群)との比較で統計的な有意差があるか解析を行いました。

※ミリ秒という非常に短い時間で言語や図形などの認識速度や正解応答数を客観的に計測できるシステム

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■ 研究結果・考察
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この結果、ラムネの単回摂取により、認知機能の一部である「ワーキングメモリー」と「持続的注意力」のスコアがプラセボ摂取と比較して有意に改善されたことが明らかとなりました(図 1)。また、他の評価項目においてはラムネ群とプラセボ群で有意な差は認められませんでした。このことから、含水結晶ぶどう糖 26.2g を含むラムネの単回摂取は、図形に関する情報を記憶することをサポートすることが示され、認知に関する機能を一時的に改善すると考えられました。また、当内容は査読付き学術誌「薬理と治療(2020 年 48 巻 4 月号)」(2020 年 4 月 20 日発行)に、「健康な成人におけるぶどう糖ラムネ菓子摂取によるワーキングメモリーと注意力の改善-ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験-」として論文掲載されました 2)。

(注意)
この結果は健康な成人における初めての研究であり、高齢の方、認知機能に障害をもつ方などにただちにあてはめることはできないと考えています。また本研究はラムネを食べる量と認知機能の関係を検討したものではありません。ラムネに限らず、食事やおやつは栄養のバランスを考慮して食べることが大切です。特に血糖値に問題がある方はご注意ください。

森永製菓では、今後もラムネ並びにぶどう糖に関する研究に継続的に取り組みます。

◎参考文献
1) Erbsloh F et al., Arch Psychiatr Nervenkr Z Gesamte Neurol Psychiatr. 196, 611(1958)
2) 稲垣宏之ら.薬理と治療 JPT.48(4),599(2020)

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■ 研究概要
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[実施時期] 2019 年7月
[対象者] 20~40 歳の健常な男女 15 名(最終解析対象者 14 名)
[試験食品] 含水結晶ぶどう糖 90%含有ラムネ打錠菓子
[対照食品] エリスリトール 90%含有プラセボ打錠菓子
[試験期間] 単回摂取
[試験方法] ランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験
[試験項目] Cognitrax による認知機能スコア

【詳細は下記URLをご参照ください】
森永製菓株式会社 2020年11月2日【PDF】発表
森永製菓株式会社 公式サイト

2020年11月02日 11:59

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