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歯の石灰化を制御する新規の受容体を同定/東北大学

【発表のポイント】
・人体で最も硬い組織である、歯のエナメル質の石灰化機構を制御する受容体Gpr115の同定に成功
・Gpr115を欠失させたマウスでは、エナメル質形成過程の石灰化機構に異常がみられ、エナメル質の形成に異常を生じた
・同研究の知見により、歯の再生医療における培養歯胚の石灰化制御法の開発が期待される

【概要】
歯の最外層に存在するエナメル質は、人体で最も硬く、歯を守る機能があります。このエナメル質は骨や軟骨などとは異なり、エナメル芽細胞という細胞が分泌した細胞外基質の石灰化によって形成され、独自の石灰化機構を有していますが、石灰化機構が制御されている仕組みはよくわかっていませんでした。

東北大学大学院歯学研究科小児発達歯科学分野の千葉雄太助教、福本敏教授らのグループは、機能が不明であったGpr115という受容体がエナメル質の形成に関与し、歯の石灰化機構を制御していることを見出しました。同研究は、米国国立衛生研究所との共同研究にて行われました。

同結果より、今までに知られていなかった歯の石灰化制御機構が明らかになり、歯の再生の実現のための重要な一歩となります。

この研究成果は、2020年11月6日米国科学誌The Journal of Biological Chemistryに掲載されました。


図1 野生型とGpr115欠損マウスのエナメル質の走査型電子顕微鏡像
野生型マウス(左)とGpr115欠損マウス(右)のエナメル質結晶構造。野生型マウスではエナメルロッドと呼ばれる結晶構造が形成されているが、Gpr115欠損マウスでは結晶の形成が見られない。

【詳細は下記URLをご参照ください】
東北大学 2020年11月6日発表
東北大学 2020年11月6日【PDF】発表(詳細)
東北大学 公式サイト

2020年11月06日 16:30

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