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「デジタル疲労」が肌に与える影響を確認/資生堂

株式会社資生堂は、デジタル疲労※1 によって、心身の疲労感の増大だけでなく、肌のバリア機能の悪化や、角層細胞の異常、酸化ダメージ要因の増大など、肌状態が変化することを発見しました。また、シークワーサーエキスが肌のバリア機能や保湿機能に重要な酵素カスパーゼ 14 の発現を高めることを見出しました。

同社は、30 年以上前から若年層肌研究やストレス研究に着手しており、これまでにも様々なストレスが肌に与える影響について研究をしてきました。今回は、GenZ などデジタルネイティブと呼ばれる現代の若者の生活スタイルに着目し、デジタル疲労が肌に与える影響について、独自の試験系を構築することで評価することに成功しました。今後も、企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLDビューティーイノベーションでよりよい世界を」の実現を目指し、お客さま一人ひとりが自分らしく健やかで美しい肌になれるアプローチを進めていきます。

※1:視聴覚(視聴や聴覚)からの多くのデジタル情報を同時に処理することで生じるストレスや疲労のこと

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■ 研究背景
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GenZ などデジタルネイティブと呼ばれる現代の若者は、ハイテク、ハイネットワークの世界に生まれ、インターネットが存在しない時代を知りません。 統計※2 によると、米国の GenZ は、1 日 9 時間をオンラインで過ごすとされています。デジタルは私たちの生活を豊かにします。しかし、その一方でデジタル情報処理の過多が、ストレスや疲労を引き起こし、肌にも影響を与えているのではないかと考え、デジタル疲労に着目して研究をすすめました。

※2:Commonsense Media, 2018

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■ デジタル疲労と肌状態
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同研究では、視覚や聴覚からの多くの情報を同時に処理するデジタル疲労課題を実施することにより、デジタル疲労状態を再現して肌状態の変化を観察しました。被験者の方に、一定時間デジタル疲労課題に取り組んでいただき、それを数日間にわたり繰り返しました。

その結果、デジタル疲労課題を繰り返し実施した後には、心身の疲労感が増大するとともに(図2)、酸化ダメージ要因の一つであるポルフィリンが増加する(図 3)ことを確認しました。さらに正常ではない角層細胞の割合が増える(図 4)ことや、肌のバリア機能が悪化する(図 5)ことがわかりました。つまり、デジタル疲労後には、肌本来が持つ肌のバリア機能が悪化し、肌荒れが引き起こされる可能性があります。

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■ デジタル疲労に有用な薬剤の探索
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デジタル疲労による肌状態変化をケアするために、肌のバリア機能や保湿機能に重要な酵素カスパーゼ14 に着目しました。カスパーゼ 14 は、肌のバリア機能や水分保持機能を担う角層を成熟させる働きや、角層中の水分保持に関わる天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor; NMF)の生成を助ける働きがあります。今回、シークワーサーエキスにカスパーゼ 14 の発現を高める効果があることを見出しました。つまり、シークワーサーエキスは、デジタル疲労による肌状態変化から肌を守り、健やかで美しい肌に導く可能性があると考えられます。

【詳細は下記URLをご参照ください】
株式会社資生堂 2021年3月30日【PDF】発表
株式会社資生堂 公式サイト

2021年03月30日 18:40

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