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カイロで温めることで血管が生まれる可能性発見/小林製薬

小林製薬株式会社と国立大学法人大阪大学は、使い捨てカイロ(以下、カイロ)の温熱技術を用いた末梢血行障害に対する新規治療法の確立を目指して2018年より大阪大学大学院医学系研究科に「血管作動温熱治療学共同研究講座(産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ)」(以下、同講座)を設置し、温熱治療の研究に取り組んできました。

このたび、同講座における嶋良仁特任教授との共同研究において、カイロで温めることで末梢血行障害の一種であるレイノー現象※の症状が緩和されることと血管を新しく作る時に働く因子(以下、毛細血管形成因子)が増加することを明らかにし、結果が一般社団法人日同リウマチ学会の学会誌「Modern Rheumatology」に掲載されました。

※レイノー現象:末梢血行障害の一種。冷たい刺激で血行が悪くなり、突然指先が白色や紫色に変わる現象。

これまで様々な血管拡張剤や血管の収縮を抑える薬剤が治療薬として使用されてきましたが、満足のいく効果は得られておりません。そこで今回、レイノー現象の症状が現れる全身性強皮症患者14名を対象にカイロを使用する期間と使用しない期間でレイノー現象の症状のひどさに違いが出るかを検証しました。

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■ 結果
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(1) カイロで肘上を温めている期間、レイノー現象の症状のひどさを示す指標が低いことを確認(図1)。

(2) カイロで肘上を温めた後に毛細血管形成因子が増加(図2)。

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■ 考察
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(1) カイロで温めることでレイノー現象の症状が緩和されることが示されました。

(2) レイノー現象を示す人は毛細血管が蛇行していることが知られていますが、温めることで毛細血管の走行が良くなる可能性が示されました。

同研究成果により、カイロで温めることが、レイノー現象の症状緩和だけにとどまらず、毛細血管の走行が良くなる可能性が示されました。毛細血管の形態が良くなることでレイノー現象に対する治療効果が期待できます。

今後もさらにカイロの温熱技術の研究を進めて、将来的には、レイノー現象だけでなく、さまざまな末梢血行障害への応用を目指します。

【詳細は下記URLをご参照ください】
小林製薬株式会社 2021年10月25日発表
小林製薬株式会社 公式サイト

2021年10月29日 16:47

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