独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))は、2022 年 2 月 9 日、欧州衛生工学・設計グループ(EHEDG※1)による認証取得に必要な食品機械の衛生試験を実施できる試験所として、一般財団法人日本食品分析センターを国内で初めて認定しました。
食品衛生上の設計を備えた食品機械は、近年、欧州など海外で認証が求められますが、国内には対応できる試験所がありませんでした。今回の認定により、国内食品機械メーカーは、EHEDG認証取得のための試験が国内で可能となります。
工場での食品の加工などに使用される機械全般を「食品機械」と呼びます。食品機械産業の販売額は約5,900億円※2であり、その規模は年々拡大しています。また、日本は世界の食品機械の約10%※3を生産しており、その大半は特殊な技術や機能を提供する中小企業が担っています※4。
近年、食品機械を欧州に輸出する際にはEHEDG認証が求められます。これまでは国内にEHEDG認証に対応できる試験所がなかったため、海外で衛生試験を受けなければならず、機器輸送費・渡航費等のコスト、言語の壁や時間損失などが大きな負担となっていました。
この度NITEは、一般財団法人日本食品分析センターを、EHEDG認証が求める食品機械の衛生試験に対応できる試験所として、国内で初めて認定※5しました。EHEDG認証取得のための試験環境を国内に整備することで、NITEは、日本の食品機械メーカーの認証取得手続に伴う負担軽減、利便性向上によって海外進出を後押しします。
なお、一般社団法人日本食品機械工業会のWEBサイト(https://www.fooma.or.jp/)からも本件に関するお知らせを掲載しています。
※1: EHEDG 認証制度(読み方:イーヘッジ)
(EHEDG: European Hygienic Engineering and Design Group)
EHEDGは、欧州の食品機械メーカー、食品メーカー、大学、衛生機関、研究所が中心となって、1989年に創設した“ 欧州衛生工学・設計グループ”の組織名称で、2021年度時点で631社が加盟。そのEHEDGが運営する認証制度で、EHEDGが定めた設計要件及び試験基準を満たした食品機械に「EHEDGマーク」を付与できる。主に、欧米で飲料用機械を中心に肉類用機械、水産用機械、製菓用機械に分類される生ものを扱う食品機械の衛生構造の適切性の証明に用いられている。国内におけるEHEDG認証制度への取り組みとして、一般社団法人日本食品機械工業会がEHEDG JAPAN(EHEDG事務局)を設立し、運営をサポートしている。
詳細はWEB参照。(https://www.ehedg.org/)
※2: 一般社団法人日本食品機械工業会がまとめた2020年度統計では、586,017百万円(https://www.fooma.or.jp/statistics/)
※3:Sheetmetal ましん&そふと 2018年11月号(http://www.machinist.co.jp/wp/wp-content/themes/machinist/images/upload/1811_inte_01.pdf )
※4:食品機械の一般的な例として、国際食品工業展2021年開催レポート(https://www.foomajapan.jp/info/report.php)動画より閲覧可能。
※5: NITEは、製品評価技術基盤機構認定制度(ASNITE)において試験事業者を認定した。国際標準化機構(ISO)及び国際電気標準会議(IEC)が定めた試験所に関する基準(ISO/IEC 17025)の要求事項に適合しているかどうか審査を行い、認定を行う。詳細はWEB参照。(https://www.nite.go.jp/iajapan/asnite/outline/index.html)
【詳細は下記URLをご参照ください】
・独立行政法人製品評価技術基盤機構/PRTIMES 2022年2月14日発表
・独立行政法人製品評価技術基盤機構 公式サイト