健康と美容のニュースなら健康美容EXPOニュース

“繰り返される” 精神的ストレスが肌トラブルの引き金に 心と肌の関係に着目した研究成果を報告 IFSCC 2022/丸善製薬

植物を中心とする天然物より、医薬品や化粧品、食品の原料を製造する丸善製薬株式会社は、心と肌の関係に着目した研究を推進し、精神的ストレスなどにより亢進されるホルモン「コルチゾール」による肌への影響について検討を行いました。

その結果、慢性的ストレス状態を再現した表皮角化細胞ではコルチゾール代謝酵素(11β HSDs)の働きを介してコルチゾールの感受性が高まり、表皮バリア機能の低下が引き起こされることが確認されました。更に、慢性ストレスによる肌への悪影響を低減する効果が期待できる機能性素材としてレイシエキスを見出しました。

また、同研究成果については2022年9月19日~22日に開催された国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)2022 ロンドン大会において技術発表(※1)を行いました。

丸善製薬では、これらの知見を本年11月10日(木)、11日(金)に実施する顧客向けセミナー「新商品&新技術オンライン発表会」で報告する他、2023年5月に開催される「第11回化粧品産業技術展(CITE JAPAN 2023)」でも本知見を応用した化粧品原料の展示を行う予定です。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 同研究成果の内容
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1. 研究の背景
精神的ストレスによる肌トラブルは、多くの消費者が実感する体感性の高いテーマです。ストレスと自覚症状に関するアンケート調査などにより、ストレスを感じている人の多くは肌荒れ・かゆみ・ニキビといった様々な肌トラブルを実感していることが報告されています。また、ストレスによる肌トラブルの原因物質としてストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールが知られており、肌バリア機能の低下やコラーゲン量の減少などへの影響が報告されています。

一方で、コルチゾールは生体の恒常性維持のために必須であり、すべての人が日常的に影響を受けているホルモンです。こうした背景の下、丸善製薬では『なぜコルチゾールによる肌トラブルが生じる場合と生じない場合があるのか』という疑問から着想を得て、コルチゾールが肌に影響を与えるメカニズムについて詳細に検討し、ストレスによる肌への影響を低減する機能性素材の探索に取り組みました。

2. 研究結果の概要
表皮角化細胞を用いて、コルチゾール処理条件がそれぞれ異なる「ストレスフリーモデル」「一時ストレスモデル」「慢性ストレスモデル」を確立(図1)し、細胞内コルチゾール濃度を調整する「コルチゾール代謝酵素(11β HSDs)」(図2)と肌バリア機能形成への影響をそれぞれ評価しました。

図1:3つのストレスモデルにおけるコルチゾール処理条件

図2:コルチゾール代謝酵素(11β HSDs)の作用

一時ストレスモデルでは、コルチゾール(活性型)をコルチゾン(不活性型)へ変換する酵素である11β HSD-2の発現量が増加(=細胞内のコルチゾール濃度を低下させやすい状態に変化)しており、一時的に高まったストレスを通常の状態に戻そうとする機能(フィードバック機能)が正常に働いていると推察されました。

一方、慢性ストレスモデルでは、11β HSD-2の発現量に変化はなく、コルチゾンをコルチゾールへ変換する酵素である11β HSD-1の発現量が増加(=コルチゾール濃度を低下させにくい状態に変化)しており、細胞がストレスによる影響を受けやすい、コルチゾールへの感受性が高まった状態に変化していると考えられました。

各ストレスモデルの違いによる肌バリア機能への影響を評価するため、カルシウムイオンによって分化を誘導する際、コルチゾールを処理したところ、慢性ストレスモデルでは一時ストレスモデルと比較してタイトジャンクション関連遺伝子発現量が有意に減少しました。更に、電気抵抗値とFITC-デキストラン透過量を指標とした評価において、慢性ストレスモデルでは、コルチゾールによるバリア機能の低下が他のストレスモデルと比較して顕著でした。(図3)

図3:各ストレスモデルにおけるFITC-デキストラン透過量を指標とした肌バリア機能評価結果

図4:慢性ストレスモデルにおけるレイシエキスの電気抵抗値を指標としたバリア機能形成促進作用

3.考察
同研究ではストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールによる肌への影響について、処理条件の異なる3種のストレスモデルを用いた検討を行いました。その結果、慢性的なストレスによってコルチゾール代謝酵素(11β HSDs)の発現量の変化等を介したコルチゾール感受性の亢進や、表皮バリア機能の低下が引き起こされることが確認されました。さらに、慢性ストレスモデルにおける肌バリア機能の低下を回復させる効果が期待できる機能性素材としてレイシエキスが見出されました。

丸善製薬では、今回の研究成果踏まえ「気持ちが落ち込むと、肌も落ち込む」という、多くの消費者が日々の生活の中で実感する症状を緩和することを目的とし、更なる皮膚生理学的研究と、消費者の「悩みによりそう」化粧品原料の応用開発を推進してまいります。

参照
※1 IFSCC 2022 技術発表タイトル
Chronic stress weakens the skin barrier function owing to increased cortisol sensitivity through the imbalance in the expression of cortisol-metabolizing enzymes.
(慢性的ストレスはコルチゾールの代謝酵素の発現バランスを介した感受性の高まりにより肌バリア機能を減弱化する)

【会社概要】
商号 : 丸善製薬株式会社
代表者 : 代表取締役社長 日暮 泰広
所在地 : 広島県尾道市向東町14703-10
設立 : 昭和24年7月13日
事業内容: 医薬品、医薬品用素材抽出物、医薬部外品用素材抽出物、
化粧品用素材抽出物、食品添加物、食品、食品用素材抽出物、
健康食品、健康食品用素材抽出物の製造販売
資本金 : 9,800万円
URL : https://www.maruzenpcy.co.jp

【詳細は下記URLをご参照ください】
丸善製薬株式会社/PRTIMES      2022年10月28日発表
丸善製薬株式会社       公式サイト

2022年10月28日 17:05

健康・美容イベント情報