オリザ油化株式会社は、バクチオール98%規格のフィトレチノール®-98C(油液状)の販売を2024年1月より開始いたします。2020年11月に食品・化粧品両方の用途のシワ改善素材として上市した「フィトレチノール®(PhytoRetinol🄬)」はバクチオール3%規格のオイル品と1%規格のパウダー品でしたが、バクチオール高濃度品を求める海外および日本国内からの需要に応えるべく、化粧品用途として本高濃度品を拡充します。これまでの低濃度品の化粧品表示名称は「オランダビユ果実エキス」でしたが、フィトレチノール®-98Cは化粧品表示名称として「バクチオール」と表示が可能になります。今後、独自で安全性データも確認したバクチオール98%規格のフィトレチノール®-98C(PhytoRetinol🄬-98C)を国内外の化粧品市場へ、天然植物由来の抗シワ素材として積極的に展開していきます。
【フィトレチノール®(PhytoRetinol🄬)について】
原料であるオランダビユの果実は、生薬では補骨脂(ホコツシ)と呼ばれ、珍重されています。オランダビユはインドから東南アジア、中国に分布するマメ科植物で、中医薬やアーユルヴェーダにおいて、強壮剤などに用いられています(写真1)。またヒトに対する抗しわ作用に関する評価として、被験者20名に対してバクチオール3%規格品を2%配合したクリームを目尻に塗布し、シワ改善効果を調べたところ、深いシワおよび小じわに対して改善傾向を示す結果が得られています。
【バクチオールのシワに対する作用】
バクチオールは、化学的な構造がレチノールと似ていることから天然のレチノールとして注目されつつあります。同社の独自研究により、紫外線に対する抗シワ作用を2つのメカニズムで確認。バクチオールには紫外線によるシワの形成を抑制する効果が期待されることを明らかにしております。
① UV-A 照射による線維芽細胞に対する作用
線維芽細胞に UV-A を照射すると萎縮し、コラーゲン産生能の低下やコラーゲン線維との解離が起こり、シワが形成されるのですが、バクチオールを添加することにより UV-A 照射による線維芽細胞の萎縮抑制作用を示すことを確認しております。
② コラーゲンマトリクスの強固作用
線維芽細胞とコラーゲンゲルを共培養する皮膚モデルに対し、UV-A を照射するとコラーゲンゲルが広がる(肌がたるむ)のですが、バクチオールの添加によりコラーゲンゲルが収縮することを確認しております。つまり、紫外線照射により線維芽細胞と細胞周りのコラーゲン(細胞外マトリクス)の結合が弱まり皮膚のたるみやシワの原因となる皮膚老化モデルに対して、バクチオールが線維芽細胞と細胞外マトリクスの結合を強化することによりコラーゲンマトリクスを強固にする作用を認めました。
【バクチオールの安全性】
バクチオール 98%は非常に高濃度であることから、皮膚に対して安全性評価も実施しております。
・Ames 試験 :陰性 (フィトレチノール®-98C として)
・皮膚一次刺激性試験(OECD:TG439) :区分外 (ミネラルオイルで 2%に希釈)
・光毒性試験(OECD:TG495) :刺激性を示さない(ミネラルオイルで 3%に希釈)
オリザ油化株式会社 2023年12月8日発表
オリザ油化株式会社 公式HP