オリザ油化株式会社は、岐阜薬科大学の原英明教授の研究グループと、「第 7 回 OKB (大垣共立銀行) アグリビジネス助成金」を利用した共同研究により、「MaquiBright®」および含有成分のデルフィニジン類に強いブルーライトダメージ軽減作用があることを明らかにし、著名な科学雑誌である「BMC Complementary Medicine and Therapies」より論文発表しました。
「MaquiBright®」の科学的エビデンスについては、視細胞における可視光による光障害抑制作用を確認していましたが、VDT 作業によるドライアイ発症の主な原因とされているブルーライト (青色 LED) によるダメージに対する作用は不明でした。ブルーライトは可視光の中でも網膜まで届き、エネルギーが高いため長時間の目への暴露による影響が懸念されています。論文化された研究は、「MaquiBright®」およびデルフィニジン類の、ブルーライトによる網膜細胞へのダメージに対する細胞保護作用を評価したものです。研究の結果、以下の効果が確認されました。
・網膜細胞の生存率が有意に増加したことが確認された。
・ブルーライトによる活性酵素(ROS)※1産生を有意に抑制したことが確認された。
・ブルーライト照射による小胞体ストレスマーカー (ATF4)※2 の増加も有意に抑制したことが確認された。
これらの結果より、「MaquiBright®」およびデルフィニジン類は、ブルーライトによる網膜細胞へのダメージに対して細胞保護的に作用することが示されました。さらに、そのメカニズムは ROS 産生及び小胞体ストレス応答の抑制であることが明らかになりました。
「MaquiBright®」は 2012 年の上市以降、順調に採用実績を重ね、機能性表示食品としての受理実績も兼ね備えたドライアイ改善のオンリーワン素材です。今回新たに明らかになったブルーライトダメージからの目の保護作用もエビデンスに加え、さらに差別化された素材として国内外の健康食品、機能性食品はもちろん、一般食品、飲料分野への更なるグローバルな拡販をしていく予定です。
【MaquiBright®について】
「MaquiBright® (マキベリーエキス)」は、南米チリのパタゴニア地方原産のベリー果実であるマキベリーを原料とした機能性エキスで、ドライアイ改善素材として 2012 年に上市しています。「MaquiBright®」は、アントシアニンの中でもデルフィニジン類を豊富に含有することが特徴であり、市場のアイケア素材と差別化を図った同社の主力製品として、国内外の大手健康食品メーカーに採用されてきました。また、機能性表示食品においても、VDT 作業※3 を日常的に行う健常人に対する目の潤いサポート、一時的な目の疲労感、不快感および肩の負担の軽減について表示※4が可能な素材として届出受理されています。
■論文情報
Kanta Y., Kodai I., Wataru O., Aomi M., Shinsuke N., Wakana Y., Hideshi T., Hiroshi S., Hideaki H., Masamitsu S.Delphinidins from Maqui Berry (Aristotelia chilensis) ameliorate the subcellular organelle damage induced by blue light exposure in murine photoreceptor-derived cells. BMC Complement Med. Ther., 24, 3 (2024).
https://doi.org/10.1186/s12906-023-04322-z
■補足・解説
※1: 活性酸素種 (ROS) :
生体内における酸化ストレスの原因となる。目においても、ROS による酸化ストレスが原因で涙液量の減少が起こるため、ドライアイの原因の一つとされている。
※2: 小胞体ストレス:
生体内では小胞体においてタンパク質が正常な形に折りたたまれ、成熟化されている。しかし、タンパク質の折りたたみが正常に行われなかった場合、変性タンパク質となって蓄積し生体内に悪影響を及ぼすため、小胞体ストレスと呼ばれる。
※3: VDT 作業:ディスプレイを持つ画面表示装置 (Visual Display Terminals; VDT) を用いた作業のこと。パソコンやスマートフォン操作、TV ゲームが主に該当する。
※4: 「MaquiBright®」を用いた機能性表示:
「本品にはデルフィニジン 3,5-ジグルコシドが含まれます。デルフィニジン 3,5-ジグルコシドには、スマートフォンやパソコン、TV ゲームなどの VDT 作業を日常的に行う健康な人の低下しがちな目の潤いをサポートし、VDT 作業による一時的な目の疲労感や一時的な目の不快感、一時的な肩の負担を軽減する機能が報告されています」の表示が可能となる。