NPO法人日本サプリメント臨床研究会内、バイオジェニック連絡協議会主催のもと11月7日、都内で「第3回バイオジェニックスセミナー」が開催された。同セミナーは2009年に第1回セミナー開催してから3回目となる。会場には関係者約80人が参加した。同協議会はバイオジェニックスの啓蒙と普及を目指し2008年に設立されており、現在では農学博士の菅辰彦氏議長を中心に活動されている。
第3回目のセミナーでは「バイオジェニックスの新知見の紹介」をテーマとし、議長である菅氏挨拶から始まり、最初に「乳酸菌の機能性を向上させるために」と題し、有限会社バイオ研主席研究員渡邊氏が講演。近年乳酸菌の有用な生理作用(整腸作用、免疫調整作用、抗腫瘍作用など)が科学的に証明されるのに伴い、免疫調整作用に対する作用は生き死には関係なく乳酸菌体(菌体壁、DNA等の菌体成分)が重要であるとした。また乳酸菌の高機能化には粉体化処理、培養方法、殺菌処理も重要な因子があると解説した。
続いてNPO法人日本サプリメント臨床研究会 顧問大脇氏は消化菅におけるIgA(Immunoglobulin A)の産生を増強することの意義を解説、中部大学大学院工学研究科客員教授林氏はウイルス感染症対策は生体側の感染防御機能の向上に着目、腸管免疫系が生体全体の免疫力に多大な貢献をしているとし、凝集型乳酸菌と分散型乳酸菌の研究成果では分散型乳酸菌の感染症への貢献度が高い事を発表した。東北大学大学院医学系研究科保健学専攻講師菅野氏は「皮膚創傷治癒の昔と今~乳酸菌による整創作用に注目して~」、池田糖化工業株式会社研究グループ執行役員小村氏は「血糖及びアミノ酸測定への酵素利用」と題しそれぞれ講演し第3回バイオジェニックセミナーを終えた。