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日本のオーガニック化粧品の動向

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ドイツ化粧品医薬品商工連盟(BDIH)日本事務局では本年より本格的な活動を開始する。これを踏まえ、30年以上化粧品の製造開発に携わってきた赤松秀夫氏を上席技術顧問に迎えるなど、体制強化をはかっている。赤松氏に日本のオーガニック化粧品の動向やBDIH認証について語ってもらった。

――オーガニック化粧品への関心は高まっているのか。

赤松 オーガニック化粧品の売場では自ら商品を手にとり、成分表示を確認している姿をみかける。このような人達は成分に関して非常に豊富な知識を持っている。インターネットという百科事典を活用し、ブログを通じた情報効果も盛んだ。認証マークの有無にこだわる人も少なくない。食に対する安全意識の高い人はオーガニック化粧品に移行する傾向にあるときく。日本では、オーガニック化粧品がいつブレイクするのか、各社がそのタイミングを見定めている感があるが、消費者が本物のオーガニック化粧品を望んでいることは確かだ。

――日本のオーガニック化粧品の定義は曖昧だが。

赤松 BDIHの認定ガイドラインが一つの目安になれればと思う。さらに、欧米では有機認証5団体が非営利団体「コスモス―スタンダード」を設立し、オーガニックに関する欧州統一企画を制定しようとしている。溶媒や触媒の基準など、原料に対する厳格な基準を設ける動きがあり、原材料メーカーは対応をせまられることになりそうだ。統一基準が導入されれば、化粧品の処方のスタンダードがこれにシフトしていく可能性がある。

――BDIH認証の特長は。

赤松 BDIHのガイドラインは主に処方と製造工程に関するものであり、製造工場に関する規制は設けていない。そのような意味では比較的着手しやすい認証ではないか。日本事務局にはすでに100件を超える問い合わせがきている。すでにBDIH認証に向けて処方開発を進めている企業が10数社ある。処方が決まれば、申請から認定までの期間は1カ月半から2カ月程と比較的スムーズであり、非営利団体なので申請にかかる費用も複数の品目で数10万円と、比較的リーズナブルだ。2月よりポジティブリストの和名版を用意し、日本語での認証申請が可能になる。認証後も毎年1回監査があるが、監査を国内の第3者機関に委託することで申請企業が負担する費用を抑えていきたいと考えている。

――日本企業にとって認証取得でハードルが高くなりそうな基準はあるか。

赤松 ポジティブリストに載っていない基剤や溶剤が処方の主役になっているケースがあるが、載っていないから必ずしもNGにはならない。申請に必要な書類や製造フローを本部が精査した結果、OKが出る可能性もある。また、防腐剤に関しては、日本の法律では原材料の安定目的に配合した防腐剤などを微量配合した際、メーカーによっては自主規制としての考えの元でキャリーオーバー成分とし、表示しなくてもよいとしているが、BDIHではキャリーオーバーという成分は存在しない。

――今後のオーガニック化粧品の見通しは。

赤松 先ずは中堅ブランドがメードインジャパンのBDIH認証を取得し、これに大手メーカーが追随すれば一気に市場は拡大するのではないか。日本で盛んになればその潮流はアジアにも波及していく。日本事務局では、これからもオーガニックに関する間違った情報を是正し、正確な情報を発信していきたい。