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第3回「食品表示一元化検討会」/消費者庁

「食品表示一元化検討会」の3回目の会合が2011年11月28日、都内で開催された。

前回の議論でJAS法、食品衛生法、健康増進法の食品表示関係法令の一元化を趣旨に新たな法律を作ることが確認されたことを受け、この日は消費者庁が示した新たな制度における表示のイメージ、新法の目的案などを元に議論が進められた。

イメージとして提示されたのは、食品衛生法第19条の「販売の用に供する食品等に関する表示についての基準の策定及び当該基準の遵守」、JAS法第9条の13「製造業者が守るべき表示基準の策定」、第9条「品質に関する表示の基準の遵守」、健康増進法第31条、第31条の2「栄養表示基準の策定及び当該基準の遵守」を一元化し、新法として整理するというもの。

食品表示新法の目的案は、案1<「食品の安全」「国民の健康増進」等については商品選択の際の要素の一つとして位置づけ、「消費者の合理的な商品選択に資すること」を直接の目的とする>、案2<「消費者の合理的な商品選択に資すること」に加え、「衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康の保護を図ること」「国民の健康の増進を図るための措置を通じ、国民保険の向上を図ること」「公正で自由な競争を促進すること」等を並列して目的に位置付ける>の2案が示された。

消費者庁からたたき台が示されたことで、この日の議論は活発化。一元化後の法体系のイメージについては、「食品衛生法とJAS法は法律の目的が違うので、並列に扱うべき」といった根本的な意見、目的案については、「3法のみを視野に入れるのでなく幅広い観点から議論すべき」「書き方が誤認を生むという観点から表示を見直すべき」「消費者保護だけでなく国際調和も」といった提案がなされた。

新法の目的については、重要性が高いことから、今後パブリックコメントなどの結果も踏まえ、内容を整理。その上で、さらに検討会で議論することが約束された。

新たな表示制度における表示の考え方の案も2案示された。案Aは「現在の表示事項を原則として維持した上で、さらに消費者に関心のある事項を容器包装に記載する」、案Bは「容器包装については、予備知識の少ない一般の消費者でも理解できる内容を中心に記載し(現行より簡素化)、アレルギー表示等健康に直接関連する事項をわかりやすく表示する。一方、その他の事項は容器包装以外の媒体を活用できることとする」。

議論を促すためのあくまでイメージとして提示だったが、委員からは様々な意見が出された。消費者庁では、インターネットによる表示に関するアンケートを行う予定で、今後、そうした結果も踏まえ、本当に必要な表示、表示の仕方を改めて議論することとなった。

また、加工食品の原料原産地表示の拡大については、時間が押したこともあり、消費者庁からの提示資料の説明が行われるにとどまった。次回の検討会は12月中旬に行われる。

【出席者一覧】

(委員)

池戸 重信   宮城大学食産業学部長(座長)

市川 まりこ 食のコミュニケーション円卓会議代表

上谷 律子   財団法人日本食生活協会常務理事

鬼武 一夫   日本生活協同組合連合会組織推進本部安全政策推進室長

迫 和子    社団法人日本栄養士会専務理事

田崎 達明   東京都福祉保健局健康安全部食品危機管理担当課長

手島 玲子 国立医薬品食品衛生研究所代謝生化学部長

中川 丈久   神戸大学大学院法学研究科教授(座長代理)

仲谷 正員   日本チェーンストア協会食品委員会委員

中村 幹雄   特定非営利活動法人食品安全グローバルネットワーク事務局長

二瓶 勉     社団法人日本惣菜協会顧問

堀江 雅子 財団法人日本惣菜協会顧問

丸山 善弘   神奈川県消費者団体連絡会事務局長

森 修三    財団法人食品産業センター企画調査部次長

森田 満樹   消費生活コンサルタント

山根 香織   主婦連合会会長

[五十音順、敬称略]

(消費者庁)

神宮司 史彦 消費者庁審議官

増田 直弘   消費者庁食品表示課長

平山 潤一郎 消費者庁食品表示課企画官

谷口 正範   消費者庁食品表示課長補佐

2011年11月28日 19:08