健康と美容のニュースなら健康美容EXPOニュース

口腔衛生素材オーラバリア®(ラクトフェリン+ラクトパーオキシダーゼ)の研究開発を学会で発表/森永乳業

森永乳業株式会社は、ラクトフェリンおよびラクトパーオキシダーゼは、ともに乳や唾液に含まれる抗菌成分であり、生体防御や口腔衛生に働くと考えられている。

同社では、ラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼの機能性に着目し、口臭や歯周病に対する臨床効果を検証してきた。今回、ラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼを配合した口腔衛生素材オーラバリア®を開発し、「日本農芸化学会2014 年度大会(3 月27~30 日、明治大学)」で以下の研究成果を発表しました。

【1】 ラクトフェリン+ラクトパーオキシダーゼ含有粉末組成物の抗菌作用および口臭抑制作用
【2】 ラクトパーオキシダーゼシステムによる揮発性硫黄化合物産生抑制作用機構

このうち、【1】の発表が「日本農芸化学会2014 年度大会トピックス賞」を受賞しました。トピックス賞は、社会的インパクト、農芸化学らしさ、科学的レベルなどの観点のもと、日本農芸化学会大会実行委員会と広報委員会によって選定されます。本大会では約2,000 題から本研究を含む27 題が対象となりました。

—————-
  ポイント
—————-
【1】 ラクトフェリン+ラクトパーオキシダーゼ含有粉末組成物の抗菌作用および口臭抑制作用
・ 乳由来の抗菌物質であるラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼを活性成分とし、口腔内において機能性を発揮する食品素材オーラバリア®への応用を実現化しました。
・ オーラバリア®の口腔衛生への応用性について、口腔内細菌に対する抗菌活性を試験管内で明らかにし、口臭抑制効果をヒト試験で確認しました。
・ 口臭抑制効果の作用メカニズムについて検討し、口臭産生に関わる細菌の酵素に対して阻害作用を示すことを新たに見出しました。

【2】 ラクトパーオキシダーゼシステムによる揮発性硫黄化合物抑制作用機構
・ 口臭産生に関わる酵素に対する阻害作用を詳細に調べたところ、オーラバリア®の構成成分であるラクトパーオキシダーゼシステムがこれらの酵素を直接不活性化することがわかりました。

◎研究内容
(1)抗菌作用
歯周病菌Porphyromonas gingivalis に対して、8 mg/ml オーラバリア®と唾液成分であるチオシアン酸を37℃で10~30 分間作用させた後、この混合液中の生菌数を測定しました。作用10 分後において生菌数が約1000 分の1 に低下し、30 分後において検出限界以下に抑制されました(図1)。

20140415_rmori01.jpg

(2)口臭抑制作用
口臭のある4 名を対象として、80 mg/錠オーラバリア®を配合した錠菓2 錠を1 時間おきに口腔内で溶解させ、摂取前、1 錠目摂取直後、1 時間後(2 錠目摂取前)、2 時間後の口臭レベルを口臭測定器で測定しました。口臭原因物質であるメチルメルカプタンの平均値は、1 錠目摂取直後および摂取2 時間後において悪臭と感じる値を下回りました(図2)。

20140415_rmori02.jpg

(3)口臭抑制作用メカニズム
口臭の原因物質は、舌苔(脱落上皮細胞や食物の残りかすなどが舌表面に付着したもの)のたんぱく質成分の分解産物であるシステインやメチオニンが口腔内細菌の酵素によって分解されて、産生されます。上記(1)のオーラバリア®作用後の混合液を遠心分離して菌体を回収し、口臭産生に関わる酵素(β-炭素-硫黄リアーゼとメチオニンγ-リアーゼ)の活性を調べたところ、作用前に比べて作用10 分後では両酵素活性ともに約20%に低下しました(図3)。

20140415_rmori03.jpg

さらに、この酵素阻害作用を詳細に調べたところ、オーラバリア®の構成成分であるラクトパーオキシダーゼシステムが口臭産生に関わる酵素を直接不活性化することがわかりました。

以上の結果から、オーラバリア®の口腔衛生への応用性について、口腔内細菌に対する抗菌作用が確認され、口臭抑制効果が観察されました。また、口臭抑制効果の作用機構として、口臭産生に関わる細菌の酵素に対して阻害作用を示すことが新たに見出されました。

◎まとめ
従来の口臭抑制素材はマスキングなどニオイをかくすアプローチが主流であったのに対し、オーラバリア®はラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼが本来持っている生物機能による細菌コントロールを介して、いわゆるニオイのもとをおさえる新たな素材であると考えられます(図4)。

20140415_rmori04.jpg

口臭は、う蝕、歯周病に次いで多い口腔疾患・症状であり、人の約半数が持っているといわれています。今後、タブレットやチューインガムをはじめ、様々なシーンにおいて利用しやすい食品形態への応用が期待されます。森永乳業では、今後もラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼの口腔衛生に対する研究に積極的に取り組み、製品開発への応用を行ってまいります。

※詳細は下記URLをご参照ください
◎森永乳業株式会社 2014年4月11日発表
http://www.morinagamilk.co.jp/download/index/11632/140411.pdf

◎森永乳業株式会社 オフィシャルサイト
http://www.morinagamilk.co.jp/

2014年04月15日 22:39

関連記事