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カスピ海ヨーグルトの粘り成分 菌体外多糖(EPS)がアトピー性皮膚炎モデルへ与える作用を検証/フジッコ

フジッコ株式会社は、 Lactococcus lactis subsp. cremorisFC株(ラクトコッカス ラクティス サブスピーシズ クレモリス エフシー株、以下クレモリス菌FC株)を用いた「カスピ海ヨーグルト」の製品開発を行ってきました。「カスピ海ヨーグルト」の最大の特徴は強い粘りで、この粘りは乳酸菌クレモリス菌FC株が産生する菌体外多糖(EPS:Exopolysaccharide)に由来します。

同社はこれまでに、粘り成分EPSが皮膚の炎症を抑制することを報告しています。今回、同様の実験で、粘り成分EPSが皮膚の炎症を抑制するメカニズムのひとつとして患部の炎症性物質の量を減少させることを明らかにしました。この研究成果は、日本食品科学工学会第62回大会(会期:2015年8月27日(木)~29日(土)、会場:京都大学 吉田キャンパス)において発表いたします。

なお、本研究成果は大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 教授北村進一先生との共同研究によるものです。乳酸菌クレモリス菌 FC 株により産生された粘り成分 EPS をアトピー性皮膚炎モデルマウスに投与し、その効果を調べました。その結果、EPS を投与したマウスの皮膚では炎症に伴い増加した TNF-α※や IL-6※などのサイトカインの生産が抑制されることが分かりました。※ TNF-α、IL-6 ともにアレルギー炎症を拡大する働きを持つ。

これらの結果から、乳酸菌クレモリス菌 FC 株により産生された EPS や EPS を含むヨーグルトを摂取することは、過剰な炎症の抑制に有用であると期待されます。

■発表の詳細■
「Lactococcus lactis subsp. cremoris FC により産生された菌体外多糖のアレルギーモデルマウスに対する効果-その2」
日本食品科学工学会 第62 回大会(会期:2015 年8 月27 日~8 月29 日)
発表日時:8 月29 日(土)11 時10 分
演題番号:3Ip1
場 所:京都大学 吉田キャンパス

乳酸菌クレモリス菌FC 株により作製したEPS のアトピー性皮膚炎モデルマウスに対する影響とそのメカニズムを調べた。BALB/c マウス(6 週齢、♂)の耳介に2,4,6-トリニトロクロロベンゼン(TNCB)を1 日おきに塗布して皮膚炎を発症させた。TNCB 塗布4 日前より1 日1 回、塗布してからは1 日おきに、EPS を0.5mg/kg/日となるように経口投与した。

TNCB 塗布から1 日おきに18 日後まで耳介厚の測定を行い、19 日後に摘出した耳介からtotal RNA を回収し、リアルタイムPCR 法にてTNF-α、IL-6、IFN-γ、IL-4 のmRNA 発現量を測定した。アレルギーモデルマウスにEPS を投与した結果、TNCB 塗布による耳介肥厚化が有意に抑制された。耳介皮膚組織におけるTNF-α、IL-6、IFN-γ、IL-4 のmRNA 発現量は非感作群に比べて対照群では有意に増加した。EPS を投与した群では対照群に比べこれらのサイトカインの発現上昇が抑制される傾向にあった。

これらの結果から乳酸菌クレモリス菌FC 株により産生されたEPS の投与により、過剰な炎症が抑制されると考えられた。

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左図のTNF-α、右図のIL-6 ともに皮膚炎の誘発により対照群では炎症部位の発現量が増加した。EPS を投与したマウスでは、ステロイド薬と同様にこれらの物質の発現量が減少した。

【お問い合わせ先】
担当者:フジッコ株式会社 開発本部 研究開発室 後藤弥生
責任者:フジッコ株式会社 開発本部 研究開発室 室長 戸田登志也
TEL:078-303-5385
FAX:078-303-5946

※詳細は下記URLをご参照下さい
◎フジッコ株式会社 2015年8月24日発表(PDF)
https://news.e-expo.net/pdf/2015/20150824_fujicco.pdf

◎フジッコ株式会社 公式サイト
http://www.fujicco.co.jp/

2015年08月25日 11:03

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