森永乳業株式会社の研究開発を担う、研究本部 基礎研究所長の清水金忠が携わった研究テーマ「ビフィズス菌・乳酸菌の保健機能と応用技術に関する研究」が、9月 9 日(金)に開催された日本酪農科学会(東京都)で学会賞を受賞しました。
1.日本酪農科学会学会賞とは
日本酪農科学会は乳・乳製品とした基礎研究や技術開発を目的とした日本で唯一のミルクサイエンスに関する研究学会です。昭和26年に「東北酪農化学研究会」として発足、昭和50年に「日本酪農科学会」と名称を変更し、現在 200 を超える会員数を有する学会です。
2.研究内容と評価理由
基礎研究所長の清水は、長年に亘り「ビフィズス菌」や腸内細菌叢(腸内フローラ)に関して数々の研究を行っております。森永乳業独自の素材「ビフィズス菌 BB536」を中心に花粉症に対する症状緩和作用やインフルエンザ感染防御作用などの機能性研究、ビフィズス菌含有発酵の製造技術に関する研究、腸内細菌と健康の関連性やヒトのビフィズス菌と母乳の親和性に関する研究などを行っております。最近では高年者におけるビフィズス菌配合カルシウム強化ミルクの継続摂取と健康状態に関する大規模の調査を行い、継続摂取による確かな保健機能を示しました。それらの研究業績を称えるとして清水本人への受賞が決まりました。
3.プロフィール
清水金忠(しみず かねただ)
森永乳業株式会社 研究本部 基礎研究所長
<学歴・職歴>
1984 年 8 月 中国華南農業大学卒業
1991 年 3 月 名古屋大学大学院農学研究科後期課程修了、農学博士。
その後、理化学研究などで研究職
1995 年 4 月 森永乳業株式会社入社 栄養科学研究所
2005 年 4 月 同上 食品総合研究所 アシスタントマネージャー
2011 年 4 月 同上 食品基盤研究所 生物機能研究部長
2015 年 7 月 同上 基礎研究所長、現在に至る
<研究内容>
・ビフィズス菌や乳酸菌の保健機能に関する研究
・ビフィズス菌含有発酵の製造技術に関する研究
・腸内細菌やビフィズス菌の特徴に関する研究
<参考情報>
【森永乳業のビフィズス菌研究】
母乳栄養児の腸内にビフィズス菌が優勢に棲んでいることに着目し、1960 年代からビフィズス菌に関する研究を開始。1969 年には健康な乳児からビフィズス菌 Bifidobacterium longum BB536 株を分離し、1971 年にはビフィズス菌を含有するヨーグルトの開発に成功。40 年以上にわたる基礎・機能性・応用研究から、ビフィズス菌BB536 は腸内環境改善作用を基本とする多くの生理機能を有していることが明らかになっています。現在、ビフィズス菌 BB536 は国内のみならず、世界中の多くの国においてもサプリメントや育児用粉乳などに利用されており、2007 年には米国 FDA から GRAS(Generally Recognized As Safe)認証を受けております。
【森永における腸内細菌叢(腸内フローラ)研究】
現在、腸内細菌と健康・疾患の関連性が非常に注目されています。森永乳業では古くから乳幼児をはじめ、ヒトの腸内細菌の構成やビフィズス菌などのプロバイオティクス摂取による腸内細菌バランスの調節に関する研究に取り組んできております。最近では、乳児タイプのビフィズス菌のみが母乳と高い親和性を有することを実証し、乳児腸管におけるビフィズス菌の定着機序の一旦を明らかいにしました。また、次世代シーケンサーを用いて、0 歳から 104 歳までの健常者 367 名を対象に腸内細菌を解析し、日本人に加齢に伴う腸内細菌叢の変化を確認しました。
< 【詳細は下記URLをご参照下さい】
・森永乳業株式会社 2016年9月9日発表
・森永乳業株式会社 公式サイト
[ 特 集 ] 機能性表示食品制度[機能性表示対応素材] 《更新随時》