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NNFAジャパン / 業界にコーデックスの動向を

 NNFAジャパンは6日、教育セミナーを開催し、サントリー(株)岩田修二氏が「コーデックス食品企画委員会とその動向 -企業の目線から-」と題して講演を行った。
 コーデックスは国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)が合同で策定した食品企画計画の実施機関として設けられた政府間組織。消費者の健康保護と食品貿易における公正取引の確保を主な目的とする。世界173カ国とEC(ヨーロッパ共同体)が加盟している。日本も参加しており、国内関連法規も基本的に可能な限りコーデックスの規格に準拠する方針を採っている。
 議題となるのは食品安全と個別の食品規格。総会の一般部会、食品別部会、特別部会、地域調整部会が置かれ、様々な問題が個別に議論されている。今後のコーデックスの議題としては、世界的な問題になりつつある肥満との関係などから糖分とトランス脂肪酸の表示規格が考えられる。肥満に関しては「食品ではなく食事のあり方が問題だ」との声もあるが、生活習慣病を防ぐ1つの手段として議論の対象になる可能性がある。
 コーデックスが抱える問題点としては、1つの規格策定までに4~5年という時間を要することが挙げられる。また、専門家会議に途上国が参加していないなどの不透明性、途上国と先進国の資金、人的資源による差異などがあったため、これらの問題について改革が行われている。さらに「科学的根拠に基づくとはいいながら、国益に関わった議論となるケースが多い」と岩田氏はいう。今後は日本も国際舞台での発言を活発に行うべきだとした。
 企業に対しても同様に、コーデックスへの発信を行うべきとした。現在、行政、学界、消費者ともにコーデックスに積極的に関与する動きが見られる。岩田氏は「コーデックスは日本の法体系に食い込んできている。企業もその動向を注視し、積極的に意見を発信する態度が必要だ。企業だけが取り残されるわけにはいかない」と述べた。現在、日本からコーデックスに参加しているのは厚生労働省、農林水産省、国際非政府組織の消費者団体。業界を代表する参加はないため、パブリックコメントに積極的に意見提出を行うなどして訴える方法を提案した。

2006年04月12日 10:00