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NNFAジャパン / 「第4回公開セミナー」を開催

 NNFAジャパンは19日、「第4回公開セミナー」を開催した。
 最初に協和発酵工業(株)ヘルスケア商品開発センター・学術研究企画室・木崎美穂マネージャー補佐が登壇。非医薬品リストの候補に上がり注目を集めている素材「L-シトルリン」について講演した。同素材は、人体にも存在するが、主に野生スイカの葉に多く含まれると説明。生理機能としては、(1)一酸化窒素(NO)産生を介した血管拡張・血流増加作用、(2)“アルギニン”の中間体としての作用による栄養状態の改善、(3)NO産生を介した運動神経や副交感神経を伝達する“アセチルコリン”の活性化、(4)NO産生を介した免疫力アップ、(5)“オルニチン”サイクルの構成成分としての作用によるアンモニアの解毒、(6)抗酸化効果を挙げた。海外の使用のされ方としては、欧州では“シトルリン リンゴ酸塩”が疲労回復のOTCとして20年以上の実績があること、米国では(1)筋肉増強・運動パフォーマンス向上、(2)NO産生を通じた血管拡張作用・精力アップ・動脈硬化予防の健康食品として使用されていることを紹介した。安全性は、ラットの4週間反復投与試験で問題なしという結論が出ているとした。
 次いで御茶の水女子大学・ライフワールド・ウォッチセンターの福冨文武氏が「サプリメントの安全性」について講演。栄養素に対するリスク評価モデルとして、NOAEL(最大無毒性量:健康上全く影響が見られない最大の量)とLOAEL(最小毒性量:健康上影響が現れる最低の量)を設定し、その値を副作用データの信頼性により不確実係数(UF)1~10で割り、UL(許容上限摂取量:ヒトの1日当たりの摂取量)を決めることを説明した。
 続いてカゴメ(株)総合研究所の相澤宏一氏が「リコピンの安全性と有効性」について講演。“リコピン”のOSL(観察された安全量)は75mg/日であり、LOAEL 及びNOAELは150mg/日以上で、ULS(許容上限摂取量)は270mg/日であるとした。有効性評価としては、運動誘発性喘息が低減、肺ガンリスクが低減、前立線ガンのリスクを低減、前立線摘出手術前に投与したところ腫癌増殖を抑制などの例があることを解説した。次にロンザジャパン(株)の王堂哲氏が「L-Carnitine安全性および生理機能について」をテーマに講演。“L-カルニチン”は脂肪を燃焼の場であるミトコンドリアに運搬する生体必須成分として定義。NOAELとLOAELは有害事象が認められていないため、毒性学的に決定できなく、またOSL及びULSは2000mg/日だとした。次いで(株)マルハの山崎久氏が「コンドロイチン」と題し講演。“コンドロイチン”は変形性関節症などに効果的であると説明。また、NOAELとLOAELは有害事象が認められていないため、設定できず、OSLは1200mg/日、ULSは1200mg/日だとした。
 続いて甲陽ケミカル(株)の福田稔商品開発部長が「グルコサミン-安全性・有効性-」について講演。“グルコサミン”は変形性関節症に有効だとし、安全性に対する結論としてNOAELとLOAELは毒性学的な根拠は得られていず、OSL及びULSは2000mg/日だと結論付けた。福田氏は次に「オメガ3-安全性・有効性」をテーマに講演。“オメガ3”の有効性として、(1)脂質プロフィールの改善、(2)血圧及び血小板凝集能の低下で血栓になりにくくする、(3)抗炎症作用、(4)免疫系への作用、(5)精神疾患に与える有益な作用及び精神的な攻撃性低下を挙げた。リスク評価は、NOAELとLOAELは毒性学的な根拠がなく設定できず、OSL及びULSは3g/日だとした。最後にNNFAジャパンの末木一夫氏が登壇。「コエンザイムQ10」について、NOAELとLOAELは毒性学的根拠がなく設定できず、OSL及びULSは1200mg/日だとした。末木氏は次いで「クレアチン」について、NOAELとLOAELは>10g/日、OSL及びULSは5g/日だとした。その他、ケミン・ジャパン(株)の押田恭一氏が「ルテイン」について講演を行った。

2007年03月20日 15:50