（株）永谷園（本社東京都港区、永谷栄一郎社長）は、海苔を植物性乳酸菌で発酵させて作った健康補助食品「海苔発酵エキス」を10月25日に発売した。同社が発売する初の健康食品となる。自社ネットショップ「永谷園通販」を通じて販売する。
「海苔発酵エキス」は、“植物性乳酸菌”を用いて海苔を発酵させた“海苔由来成分”で、“γ‐アミノ酪酸（GABA）” などの有用成分を含む。同製品はこれをソフトカプセルに包み込んだ。“GABA”は、高血圧抑制作用や精神安定作用、成長ホルモン分泌促進作用を持つ。海苔に含まれる“ペプチド”や“ポルフィラン”は、高血圧抑制作用や体脂肪低下作用などを有する。
開発の経緯について、同社は「これまでの商品開発は、ふりかけの新しい味を増やすというような新商品開発に力を入れてきたが、消費者の健康意識の高まりを受け、最近は素材研究にも力を入れていた。そこで、当社主力商品であるお茶漬けの素やふりかけなどの主要原料である“海苔”に着目して研究を進め、商品化した。開発にあたっては当社の独自技術である“海苔”を“植物性乳酸菌”で発酵させるのに非常に苦労しました」（同社）と話す。
“海苔発酵エキス”は、三重大学生物資源学研究科の梅川逸人教授の実験では高血圧モデルラットに対する血圧降下作用を確認している。試験では、5週齢の高血圧自然発生ラットを通常飼料にて1週間飼育した後、35日間、そのまま通常飼料を摂餌させるグループと、通常飼料に0.0003％“海苔発酵エキス”を添加した調整飼料を自由に摂餌させるグループに分けた。その結果、通常飼料を与えたグループの最高血圧が180mmHgを超えていたのに対し、調整飼料を与えたグループは170 mmHgを下回っており、“海苔発酵エキス”は最高血圧の上昇を有意に抑制することがわかった。
同製品を販売する『永谷園通販』は今年3月に立ち上げたサイトで、同社では「ネットショップでは、これまで店頭で売ってきた『おいしい』、『楽しい』といった要素に付加価値を加えた高級感のある商品を販売している。現在利用しているのは50～70代の高齢層が中心で、そういった方は健康への関心が非常に高い。『海苔発酵エキス』は、まず、そういった方に向けて訴求していく」としている。税込み価格は、60ｇ（150粒）・4800円。
