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酒粕と米麹で作った甘酒はヒト腸内のビフィズス菌の占有率を増やしました。/森永製菓

森永製菓株式会社は、美容効果や健康機能に注目が集まる甘酒の研究を進めています。この度、酒粕と米麹で作った甘酒はヒト腸内のビフィズス菌の占有率を増やす研究成果が得られました。

同研究は、「腸」に関する著書を多く上梓する松生恒夫医師(東京都立川市、松生クリニック)との共同研究で、酒粕と米麹で作った甘酒1日 1 回の摂取が 1 日の排便回数、便の量、便の状態、排便後の感覚を向上させたことについて、腸内細菌叢(腸内フローラ)の改善がそのメカニズムではないかと考え、新たにヒト試験を実施しました。

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■ 実験内容
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実施した試験の内容は次の通りです。松生クリニック便秘外来来院者で本試験に参加の意思を示した成人女性のうち 12 名を、酒粕と米麹で作った甘酒 190g の効果を検証する対象としました。酒粕と米麹で作った甘酒(甘酒)、または酒粕も米麹も使用せずに炭水化物や脂質等の栄養成分と熱量を揃えて調製した飲料(対照)を 1 日 1 回飲用することを 30 日間続けてもらい、2 週間の休止期間の後、甘酒、対照を入れ替えて飲用してもらいました。それぞれの飲料の飲用期間開始前日と終了時に検便を行って便中に含まれる腸内細菌の同定および、それらの占有率を、T-RFLP 法 1)を用いて算出しました。解析対象となった菌種は以下の通りです。

・善玉菌 2 種類(ビフィズス菌・乳酸菌)
Bifidobacterium, Lactobacillales 目

・悪玉菌 5 種類(ボツリヌス菌や破傷風菌の仲間を含みますが、全てが害のある菌ではありません)
Clostridium cluster IV, Clostridium subcluster XIVa, Clostridium cluster IX, Clostridium cluster XI,Clostridium cluster XVIII

・日和見菌 2 種類(バクテロイド、プレボテラ)
Bacteroides, Prevotella

※菌の分類は、T-RFLP フローラ解析実施者㈱テクノスルガ・ラボの HP に基づく

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■ 実験結果
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飲用前は差が認められなかったビフィズス菌の割合が、甘酒飲用後は対照飲用後と比較して統計学的有意に高くなっていることが認められました。なお、他の菌種については飲用前後での変化は認められませんでした。

このことは、酒粕と米麹で作った甘酒には、ヒト腸内の善玉菌であるビフィズス菌の占有率の増加を促すプレバイオティクスのような機能が存在することを示唆します。すなわち、酒粕や米麹は古くから日本人の腸内フローラを調節する日本古来の発酵食品として役立っていた可能性が考えられます。
同研究により、酒粕と米麹で作った甘酒 190g の 1 日 1 回の 30 日間の摂取が、ヒト腸内でビフィズス菌の占有率を増加させることが確認されました。詳細は、査読付き学術誌『薬理と治療』7 月号に掲載が予定されています。

森永製菓では、これまでも、酒粕と米麹で作った甘酒が「目の下のクマや肌の明度に良い影響を与える」2)ことや「皮膚の皮脂分泌」3)や「肌や毛穴のたるみ」4)を抑制することを、昨年は「おなかの調子を整えお通じの状態を良くすること」5)をヒト試験で検証して研究成果を報告しきました。今後も甘酒に関する研究を継続的に取り組みます。

【参考文献】
1) Nagashima K et al. : Biosci Microflora 25 : 99 (2006)
2) Kawakami S. et al. : FRAGRANCE J 44, 43 (2016)
3) Nakagawa K. et al. : 6th International Conference on Food Factors (ICOFF) (2015)
4) 吉川真理子ら : 薬理と治療 46, 1841 (2018)
5) 森 貞夫ら : 薬理と治療 47, 759 (2019)

【 詳細は下記URLをご参照ください 】
森永製菓株式会社  2020年7月13日【PDF】発表
森永製菓株式会社  公式サイト

2020年07月13日 17:35

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