池田糖化工業株式会社は、ショウガ抽出物を酵母を用いて発酵させ粉末化した製品である「発酵ジンジャーエキスパウダー」を用いた動物試験において、内臓脂肪蓄積抑制効果を確認しました。
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■ 背景
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内臓脂肪は、内臓周囲に蓄積する脂肪を指し、過剰に蓄積すると肥満になる恐れがあります。肥満は、脂質異常症や糖尿病、心血管疾患等を引き起こす可能性があり、内臓脂肪の過剰な蓄積を防ぐことは生活習慣病のリスク低減につながるとされています。そのため、内臓脂肪の蓄積を抑制する食品素材は、肥満予防をはじめとする健康増進に貢献できると考えられます。そこで、ショウガ抽出物を酵母を用いて発酵させ粉末化した製品である発酵ジンジャーエキスパウダーについて、内臓脂肪蓄積に与える影響を評価しました。発酵ジンジャーエキスパウダーは、酵母発酵によりショウガの微量成分であるパラドールの含有量を高め、規格化した製品です。
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■ 試験内容
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C57BL/6Jマウス(5週齢)を、発酵ジンジャーエキスパウダー配合高脂肪食(パラドール:0.06%含有)で1週間の馴化を行った後、高脂肪食群(コントロール群、n=5)と、発酵ジンジャーエキスパウダー配合高脂肪食群(発酵ジンジャー群、n=5)とに分け、40日間飼育しました(水と飼料は自由摂取)。摂餌量、体重及び内臓脂肪組織(副睾丸周囲、腎周囲)重量を測定し、群間比較しました。
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■ 試験結果・考察
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発酵ジンジャー群はコントロール群と比較して、副睾丸周囲脂肪重量及び腎周囲脂肪重量が有意に低く、餌1g当たりの体重増加量は低い傾向でした(図参照)。発酵ジンジャーエキスパウダーを摂取することで、高脂肪食を摂取した際の内臓への脂肪蓄積が抑制され、体重増加が抑えられる傾向にあることが示されました。
また、マウスを用いた別の試験において、発酵ジンジャーエキスパウダーを摂取することで、コレステロール合成に関連する遺伝子(Hmgcr、Fas)の発現が抑制され、脂肪酸分解に関連する遺伝子(Ucp1、Acox1)の発現が増加することを確認しています。
さらに、パラドールは消化管に存在するTRPV1に作用することで褐色脂肪細胞におけるエネルギー消費を促進する(*1)ことや、脂肪細胞において、脂質代謝関連酵素(AMP活性化プロテインキナーゼ)を活性化する(*2)ことが報告されています。
以上のことから、発酵ジンジャーエキスパウダー中のパラドールの作用により、内臓脂肪の蓄積が抑制されたと考えられます。
(*1) Akinori Haratake, et. al., J. Agric. Food Chem. 2014, 62(26), 6166-6174
(*2) Chien-Kei Wei, et. al., Int. J. Mol. Sci. 2017, 18(1), 168
図 内臓脂肪重量と餌1g当たりの体重増加量の比較(*:p<0.05)
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■ 製品概要
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製品名 :発酵ジンジャーエキスパウダーS
名称 :発酵ジンジャーエキス粉末
パラドール:0.4~0.5%
入目/荷姿:5kg(1kg×5アルミ袋)/ケース
賞味期限 :製造後2年間
【詳細は下記URLをご参照ください】
・池田糖化工業株式会社/アットプレス 2023年1月23日発表
・池田糖化工業株式会社 公式サイト